インカ神話
インカ神話は、15世紀に成立し1533年のスペイン征服まで続いたインカ帝国(タワンティンスーユ)と、それに先立つアンデス諸文化が伝えた神々と世界観の総体である。舞台は現在のペルーを中心に、ボリビア・エクアドル・チリ北部に及ぶ高地と太平洋岸である。
インカは文字を持たず、神話は口承とキープ(結縄)によって伝えられた。今日知られる体系の多くは、征服後にスペイン人や先住民の年代記編者が書き留めたものに拠る。ペドロ・シエサ・デ・レオン、フアン・デ・ベタンソス、クリストバル・デ・モリーナらの記録に加え、インカの血を引くインカ・ガルシラーソ・デ・ラ・ベガ、先住民のフェリペ・グアマン・ポマ・デ・アヤラやフアン・デ・サンタ・クルス・パチャクティ・ヤムキの著作が重要な典拠となる。ただしこれらは布教と征服の文脈で書かれ、キリスト教的な解釈が混じることも多く、異伝の併存を前提に読む必要がある。
体系の頂点には、天地と人類を造った至高の創造神ビラコチャが立つ。帝国の守護神は太陽神インティであり、皇帝サパ・インカはその末裔を称して神聖な王権を正当化した。インティの姉妹にして妻である月の女神ママ・キリャ、母なる大地パチャママ、海岸部の創造神にして大神託の主パチャカマックらが、天・地・海を分け持つ。雷神イリャパを第三位に数える年代記も多く、被征服民が最高神と仰いだ各地の雷神は、その地方形として万神殿に組み入れられた。神々はしばしば地域ごとに異なる名と性格を帯び、征服による統合のなかで序列と系譜が整えられていった。
図像においては、太陽を象る金、月を象る銀が神聖な金属とされ、クスコの太陽神殿コリカンチャは金板で覆われていたと伝わる。地下界ウク・パチャに属するスーパイが「悪魔」と訳し替えられたように、征服は神々の輪郭そのものを描き直した。多くの神殿は破壊され金銀は熔かされたが、母なる大地への祈りは聖母マリア崇敬と習合して今日まで生き続けている。アンデスの神々は、国章や祭礼、そして大地との互酬という生活の作法のなかに、なお息づいている。
この体系の神格・幻獣
32柱を収載(知名度順)
インカ神話
ビラコチャ
Wiraqucha — 創造神・主神
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インカ神話
パチャママ
Pacha Mama — 豊穣神
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インカ神話
インティ
Inti — 太陽神
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インカ神話
パチャカマック
Pacha Kamaq — 創造神・主神
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インカ神話
ママ・キリャ
Mama Killa — 月神
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インカ神話
スーパイ
Supay — 死神・冥界神
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インカ神話
イリャパ
Illapa — 雷神
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インカ神話
マンコ・カパック
Manqu Qhapaq — 王権
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インカ神話
ママ・オクリョ
Mama Uqllu — 豊穣神
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インカ神話
ママ・コチャ
Mama Qucha — 水神・海神
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インカ神話
杖の神
Staff God — 図像
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インカ神話
アプ
Apu — 山
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CREATURE
インカ神話
アマル
Amaru — 蛇
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インカ神話
アイ・アパエック
Aiapæc — モチェ
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インカ神話
エケコ
Iqiqu — 繁栄
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インカ神話
ウルクチリャイ
Urquchillay — リャマ
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インカ神話
ボチカ
Bochica — 文明化の英雄
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インカ神話
バチュエ
Bachué — 母神
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インカ神話
チア
Chía — 月
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インカ神話
チブチャクム
Chibchacum — 雨
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インカ神話
チミニガグア
Chiminigagua — 創造
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インカ神話
スエ
Sué — 太陽
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インカ神話
トゥヌパ
Tunupa — ビラコチャ
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CREATURE
インカ神話
アンチャンチュ
Anchanchu — アイマラ
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