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PLATE — MAMA QUCHA
INCA · インカ神話
MAMA QUCHA

ママ・コチャ

ママ・コチャ · ママ・クチャ · Mama Cocha

アンデスの海の女神。「母なる海」を意味し、漁民と船乗りを守る。湖や川を含む、あらゆる水域を司るとされた。

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解説

概要

ママ・コチャ(Mama Qucha)は、アンデスで崇拝された海の女神である。名はケチュア語の mama(母)と qucha(湖・海)から成り、「母なる海」を意味する。インカ神話の体系では、母なる大地パチャママが地の実りを担うのに対し、彼女は水そのものを担う。

その領分は海に限られない。地域によっては湖、川、さらには人の手で引いた灌漑水路までが彼女の管轄と考えられた。乾いた海岸と高地に暮らす人々にとって、水の所在は生死を分ける事柄であり、漁民と船乗りにとっては特に重い神であった。

神話・物語

系譜は年代記によって揺れる。創造神ビラコチャの妻とし、太陽神インティと月の女神ママ・キリャをその子とする伝えが比較的よく知られるが、これは征服後に体系化された整理の色が濃い。始祖ママ・オクリョの母を彼女とする伝承もあり、いずれも一本に束ねることはできない。

彼女をめぐって語られるのは、個別の物語よりも、水の循環そのものである。海の水が雨となって地に降り、川となって再び海へ還るという観念が、アンデスの人々に共有されていた。ティティカカ湖のような内陸の大水面も、この循環の一部として彼女に結びつけられた。海に注ぐ祈りが高地の作物の稔りに通じるという感覚は、この理解に支えられている。

図像と象徴

彼女には定まった図像がない。海や湖そのものが彼女であると観念されたためであり、特定の像を持たないこと自体が、母なる大地パチャママと共通する性格である。フアン・デ・サンタ・クルス・パチャクティ・ヤムキが描いたコリカンチャ祭壇の宇宙図には、日月や星々とともにママ・コチャが世界を構成する要素として書き込まれており、その位置を知る数少ない手がかりとなっている。

海岸の諸文化が残した器物には、海と水の主題が繰り返し現れる。魚、海獣、水鳥、そして遠洋から運ばれた赤い二枚貝ムユが、それである。ムユは干魃の年に神々へ捧げられる最も貴い供物とされ、はるか北のエクアドル沿岸から高地まで運ばれた。これらを彼女の図像と直結させることはできないが、水への畏敬がどれほど深く器物に刻まれていたかは示す。

系譜と関係

ビラコチャの妻とする伝えが最も流布しているが、パチャカマックの配偶とされる海岸部の女神ウルピワチャクなど、同じ領分を担う神格が地域ごとに別の名で伝わっており、単一の系譜には収まらない。パチャママとの関係は対立ではなく分掌であり、水と大地は互いを必要とする対として理解された。

文化的足跡

海への祈りは今日も絶えていない。ペルーとチリの沿岸では、漁に出る前に海へ酒を注ぐ所作が続けられており、その語彙と作法は大地への供物のそれと通じ合う。ティティカカ湖畔でも、水に供物を沈める儀礼が行われる。特定の神殿や祭日をもたないまま、水に向かう作法として受け継がれてきた神格である。

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領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承点線=異伝・別系統

収載データなし
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ママ・コチャ
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資料

Wikidata
Q599693 — 骨格データの出典