ウルクチリャイ
ウルカチリャイ · Urcuchillay · Urquchillay
インカの牧人が崇拝した多色の雄リャマの神で、琴座の化身。天の川の暗黒星雲を動物とみるアンデス固有の星座観に属する。2026年に国際天文学連合が恒星名に採用した。
解説
概要
ウルクチリャイ(ウルカチリャイとも)は、インカの牧人が崇拝した神で、動物を見守る多色の雄のリャマと信じられた。琴座の化身とされ、ウルクチリャイは星座と神格の双方の名であった。
国際天文学連合の恒星名作業部会は2026年、この星座のゼータ2星にウルクチリャイの名を採用した。
信仰
インカの天文観において、天の川(マユ)のなかの暗黒星雲は動物の姿とみなされた。リャマ、狐、蛇、鷓鴣——これらの「暗い星座」が、アンデスの星座観の特徴である。
ウルクチリャイは、そのうちリャマの星座と結びつく。牧人はこの神に家畜の繁殖と健康を祈った。多色の雄リャマという姿は、群れの多様性と豊かさを表す。
年代記作者ポロ・デ・オンデガルドは、牧人がウルクチリャイを崇拝し、これを多色のリャマとみなしたと記す。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
この神を規定するのは、星座と家畜の一致である。空のリャマが地上のリャマを守る。アンデスにおいてリャマは、運搬、毛、肉、そして犠牲のための最も重要な家畜であり、その守護神が星に置かれている。
暗黒星雲を星座とみる観念は、アンデスに固有である。星の並びではなく、天の川のなかの暗い部分に動物の姿を見る。ウルクチリャイの星座も、この系列に属する。
関わる神格・伝承
インティ、ママ・キリャと並ぶ天体の神格の一つ。牧畜の神としては、パチャママと組にして祀られた。
ヤカナ——天の川のリャマの暗黒星座——と同一視されることがある。
文化的足跡
2026年に国際天文学連合が恒星名として採用したことで、インカの神名が公式の天文学の名称に入った。先住民の天文観を反映した命名の例である。
なおアンデスとアマゾンの先住民の伝統は今日も継承されている生きた信仰である。