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ドワーフ
PLATE — DVERGR
NORÐR · 北欧神話
DVERGR

ドワーフ

ドヴェルグ · ドヴェルガル · 小人族

ローレンツ・フレーリク画(1895年、Den ældre Eddas Gudesange 所収) PUBLIC DOMAIN

ゲルマン語圏の伝承に現れる超自然的な存在。古ノルド語ではドヴェルグ。石と山に棲み、神々の宝を鍛えた工匠として語られる。今日の姿の多くはトールキン以降の造形である。

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解説

概要

ドワーフ(dwarf)は、ゲルマン語圏の伝承に現れる超自然的な存在。古ノルド語ではドヴェルグ(dvergr)、古英語では dweorg、古高ドイツ語では twerg といい、ゲルマン祖語 *dwergaz に遡る。北欧神話では石と山に棲み、神々の宝を鍛える工匠として現れる。

ゲルマン祖語より前の語源は定まっていない。「損なう」を意味する印欧祖語 *dʰeur-、「欺く」を意味する *dʰreugʰ(英語 dream、ドイツ語 Trug の同源)、サンスクリットの dhvaras「悪霊の一種」との比較が提案され、フース・クローネンは「押しつぶす」意の動詞からの派生を説く。アナトリー・リーベルマンは英語 dizzy と結びつけ、人に精神の病をもたらす存在という側面から語義を説明した。語源の候補が「損傷」「欺瞞」「眩暈」に集まることは、この存在が本来は宝の作り手ではなく、災いをもたらすものであった可能性を示している。

小柄であることは、古ノルド語の資料には明示されない。アルマン・ヤコブソンが指摘するとおり、初期の資料でドヴェルグを定義するのは姿ではなく役割であり、輪郭の定まらなさこそがこの存在の特徴である。

登場する物語

起源からして二通りある。『巫女の予言』の王の写本本文は、ドヴェルグが大地から生じたと歌う。一方『ギュルヴィたぶらかし』は、原初の巨人ユミルの肉に湧いた蛆に、神々が人の形と知恵を与えたとする。前者は大地から、後者は死体から。共通するのは「土のなかから出てくる」ことだけである。

『巫女の予言』第9〜16節は、ドヴェルグの名を延々と並べるドヴェルガタルを含む。この一覧には、ユミルの頭蓋から作られた天の四隅を支えるノルズリ・スズリ・アウストリ・ヴェストリ(北・南・東・西)も現れる。彼らが天を支えているとすれば背丈は相当なものになるはずで、「小人」という訳語がいかに後付けであるかがわかる。

北欧神話でドヴェルグが最も目立つのは、神々の宝を作る場面である。『詩語法』によれば、ロキシヴの黄金の髪を切り落とした償いに、「イーヴァルディの息子たち」が髪と船スキーズブラズニルと槍グングニルを鍛えた。ロキはさらに自分の首を賭けて、ブロックとその兄弟エイトリ(シンドリとも)に三つの宝を作らせる——黄金の猪グリンブルスティ、腕輪ドラウプニル、そして槌ミョルニルである。ロキが虻に化けて鍛冶を妨げたため、ミョルニルの柄は短くなった。狼を縛る紐グレイプニルも、スヴァルトアールヴヘイムへ下った使者スキールニルの求めに応じて彼らが鍛えたものである。フレイヤの首飾りブリーシンガメンを四人のドヴェルグが作ったと語るのは、後代の『ソルリの話』である。

賢者クヴァシルを殺し、その血から詩の蜜酒を醸したのも、フィヤラルとガラルというドヴェルグの兄弟であった。北欧神話における技芸は、武具も詩も、神の発明ではなくこの一族の産物である。

もっとも、彼らの持ち物は交換によってではなく、強要によって他者の手に渡る。『ヴォルスンガ・サガ』のアンドヴァリはロキに追い詰められて黄金と指輪を奪われ、それに呪いをかける。『ヘルヴォルとヘイズレク王のサガ』では、ドヴァリンらが剣ティルフィングを鍛え、やはり呪いをかけた。『アールヴィースの言葉』では、トールの娘スルーズを求めたアールヴィースが知恵くらべに引き込まれ、夜明けまで喋らされて日の光を浴び、石と化す。バルドルの火葬では、リトという小人が火の前を走り抜けたためにトールに蹴り込まれた。

北欧の外に目を移すと、姿はさらに変わる。古英語の dweorg は熱病そのものを指す語でもあった。8世紀のリーベ出土の頭蓋骨片は、ドヴェルグに対抗するためオーディンら三者に助けを求める銘を刻む。ノーフォークで見つかった鉛板には「小人は死んだ」とあり、『ラクヌンガ』所収の呪文「小人に対して」は、病が馬のように患者に乗るさまを歌う。ノルウェー語の dvergskot「小人の一撃」が家畜の病を指すのは、この観念の名残である。工匠としてのドヴェルグは、この病の観念とは別系統の姿かもしれない。

図像と象徴

前キリスト教期の造形で、ドヴェルグと確実に同定できるものはない。ランカシャーのヘイシャムにあるホグバック墓石の四人の人物を天を支える四体と見る説はあるが、確定していない。スウェーデンのラムスンドの岩絵やノルウェーのヒュレスタード教会扉口の彫刻(シグルズ図像)は剣を鍛える鍛冶レギンを刻む。レギンをドヴェルグとする資料もあるが、彫刻の中で彼は英雄シグルズとほぼ同じ背丈に彫られている。少なくともこれらの図像において、小ささは徴になっていない。

言葉のほうが、むしろ雄弁である。スカルド詩は「石」を「ドヴェルグの家(dvergrann)」と呼ぶ。石の内側に住むのか、石そのものなのか、古い資料は判然としない。名にも徴がある。デリングル(輝く者)、グローイン(燃える者)のように光を含む名が多く、これを鍛冶の炉の火と見るか、後代のアイスランド民話にいう塚の火(haugaeldar)と見るかで解釈が分かれる。他方でスノッリは、彼らと重なるデックアールヴを「瀝青よりも黒い」と書いた。輝く名を持ちながら黒いとされる——この矛盾も整理されないまま伝わっている。

中世ドイツの英雄叙事詩に至って、造形は具体化する。長い髭、姿を消す隠れ蓑(Tarnkappe)、山の内部の館。『ニーベルンゲンの歌』のアルベリヒは十二人分の力で宝を守り、ジークフリートに屈して従者となる。『ラウリン』では、薔薇園を持つ小人王がディートリヒと戦う。ここではじめて、ドヴェルグは膝丈ほどの背丈で描かれるようになる。

現代の読者が思い描く姿——ずんぐりした体、豊かな髭、兜と斧、鍛冶の前掛け——は、19世紀の挿絵とトールキン以降の造形の産物である。ローレンツ・フレーリクやアーサー・ラッカムの版画がその橋渡しをした。

関わる神格・伝承

ドヴェルグとアールヴの境界は、中世の著述家にとっても曖昧だった。スノッリはスヴァルトアールヴ(黒いアールヴ)をスヴァルトアールヴヘイムの住人とし、ドヴェルグとほぼ同一に扱う。ドヴェルガタルには、アールヴル(妖精)、ガンドアールヴル(杖の妖精)、ヴィンドアールヴル(風の妖精)といったアールヴの名が混じる。

一方で、神々との関係の型は対照的である。アールヴには供犠(アールヴァブロート)が捧げられ、贈与と応答の関係が成り立っていた。ドヴェルグに供犠を捧げた記録はない。彼らの宝は贈られるのではなく、脅しと計略で取り上げられる。この非対称は、前キリスト教期のゲルマン宗教において両者を分ける最も確かな指標だと論じられている。

ヨトゥン(巨人)やトロールとも領域が接するが、ヨトゥンが神々の敵対者であるのに対し、ドヴェルグは敵ではない。神々の道具を作る者であり、しかし進んで作るのでもない。敵でも味方でもなく、要求に応じる外部——それがこの存在の位置である。

文化的足跡

グリム兄弟が集めた『白雪姫』の七人の小人は、1937年のディズニー映画によって世界に広まった。リヒャルト・ワーグナー『ニーベルングの指環』のアルベリヒとミーメは、中世ドイツの叙事詩を経由した造形である。

決定的だったのはJ・R・R・トールキンである。『ホビットの冒険』の十三人の名は、バーリンを除きすべてドヴェルガタルから採られている——ソーリン、ドヴァリン、フィーリ、キーリ、ノーリ、オーイン、グローイン、ビフル、ボフル、ボンブル。ソーリンの添え名オーケンシールドも、一覧に並ぶ別のドヴェルグの名エイキンスキャルディ(樫の楯)である。皮肉なことに、一覧にあるガンドアールヴルはドヴェルグの名でありながら、トールキンはそれを魔法使いに与えた。複数形 dwarves もトールキンの造語で、本人は文法的に恥ずべき私的な誤りだと認めつつ押し通した。正しくは dwarfs、古英語の複数形を素直に継げば dwarrows になるはずだった。

現代のファンタジー作品やゲームがエルフとドワーフを別種族として明快に描き分けるのも、この線に沿っている。原典では両者の区別がしばしば曖昧であったことは、以上に見たとおりである。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q214045 — 骨格データの出典
Commons
Dwarves (legendary creatures) — 図像カテゴリ