トールの槌。名は「打ち砕くもの」と解されることが多い。『スノッリのエッダ』によれば小人の兄弟ブロックとシンドリが鍛えたが、ロキが虻に化けて鍛冶の目蓋を刺したため柄が短いまま仕上がった。それでも神々の宝を比べる場では最も価値ある品と判じられている。投げれば必ず手に戻り、力帯メギンギョルズと鉄の手袋ヤールングレイプルを併せて用いる。働きは破壊だけではない。『スリュムの歌』では花嫁を聖別する祭具として持ち出され、バルドルの火葬でも薪を清めるのに使われた。ヴァイキング期の北欧・イングランド・バルト海沿岸からは、これを象った護符が千点ほど出土している。
GLOSSARIUM · MJÖLNIR