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PLATE — ἸΆΠΕΤΟΣ
HELLAS · ギリシア神話
ἸΆΠΕΤΟΣ

イーアペトス

イアペトス · イアペトゥス · Iapetus

ウーラノスとガイアの子であるティーターン。アトラース、プロメーテウス、エピメーテウス、メノイティオスの父で、古来しばしば人類の祖として語られた。

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解説

概要

イーアペトス(Ἰάπετος / Iapetos)は、ウーラノスガイアの子で、ティーターン神族の一柱である。自身の事績はほとんど伝わらないが、四人の子——天を担うアトラース、火を盗んだプロメーテウスパンドーラーを迎えたエピメーテウス、雷に撃たれたメノイティオス——がいずれも人と神の関係を決定づける役を担ったため、ギリシア人はこの一族を人類の祖として語った。カール・ケレーニイは、その名がギリシア語としては外来的な響きを持つと述べている。

神話・物語

妻については伝承が割れる。ヘーシオドス『神統記』とヒュギーヌスはオーケアノスの娘クリュメネーとし、アポロドーロスはアシアーとする。アーソーポスの娘アーソーピスやリビュエーを妻とする伝えもある。さらにアイスキュロス『縛られたプロメーテウス』では、プロメーテウス自身が母をテミスと呼び、父の名は挙げられない。ヘーシオドス『仕事と日』もプロメーテウスを「イーアペトスの子」と呼ぶだけで母を名指さない。子の親を確定させないことは、この一族の物語では珍しくない。

イーアペトスは、ホメーロス『イーリアス』においてタルタロスにクロノスとともに幽閉されていると名指される、ただ一柱のティーターンである。ティーターノマキアーでゼウスに激しく抗い、敗れて奈落へ落とされたという筋は、ここから補われた。

後代の読み手は、四人の子をそれぞれ人間の欠点に割り当てて理解した。高慢を体現するメノイティオスはタルタロスの最奥へ投げ落とされ、知恵を欺きに用いたプロメーテウスは鷲に肝臓を啄まれ続け、教えを受けつけない愚かさの化身であるエピメーテウスはパンドーラーの災いを引き受け、自己主張を持たぬアトラースには天を支えるという果てしない務めが課される。四つの罰が四つの性格に対応するというこの整理は、ヘーシオドスの本文がそこまで明示するわけではなく、古代末期から近代にかけて積み重ねられた道徳的な読解である。とはいえ、人がなぜ労苦を負うのかを説く『仕事と日』の主題と、この一族の系譜が結びついていること自体は、ヘーシオドスの構想に属する。

旧約聖書のヤペテとの関係は、近世以降くり返し論じられてきた。ヨセフス『ユダヤ古代誌』がヤペテをヨーロッパ諸族の祖としたことと、名の音の近さが重なり、両者はしばしば同一視された。近年もこの結びつきを言語接触の観点から論じる研究があるが、確定した定説ではない。神話上の人物の名を歴史上の民族の祖に結びつける作業は、系譜によって世界の民を整理しようとした近世の学問の産物でもある。

図像と象徴

イーアペトスを名指した古代の作例は知られていない。この神の図像を代行するのは、つねに子らの姿である。ファルネーゼのアトラースのように天球を背負う巨人、アフロディシアスの浮彫のようにヘーラクレースに解放されるプロメーテウス、そして名の銘を伴ってパンドーラーを迎えるエピメーテウス。父を描かず子を描くという偏りは、この神が物語の担い手ではなく系譜の結節点であったことを、そのまま示している。本項でも主画像は置いていない。

系譜と関係

父ウーラノス、母ガイア。同胞はオーケアノス、コイオスクレイオスヒュペリーオーン、クロノス、テイアーレアー、テミス、ムネーモシュネーポイベーテーテュース。妻はクリュメネー(またはアシアー)。子はアトラース、メノイティオス、プロメーテウス、エピメーテウス。孫にはプロメーテウスの子デウカリオーンがおり、大洪水を生き延びて人類の祖となる。イーアペトスから人類へ至る線が、二重に引かれていることになる。

文化的足跡

土星の第八衛星イアペトゥスにその名が与えられている。地質学でいうイアペトゥス海——古生代に北アメリカとバルティカのあいだに広がり、のちに閉じて大西洋の前身となった海——も、この神の名にちなむ。オーケアノスの兄弟にあたる神の名を、大西洋に先立つ海に与えるという命名である。

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領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承点線=異伝・別系統

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資料

Wikidata
Q179543 — 骨格データの出典