テオニム THEONYM · 世界神話アーカイブ 神格を検索
レアー
PLATE — ῬΈΑ
HELLAS · ギリシア神話
ῬΈΑ

レアー

レア

Deiadameian CC BY-SA 4.0

ギリシア神話のティタン女神で、オリュンポスの神々の母。夫クロノスが子を呑むのを逃れ、末子ゼウスを隠して石をすり替え、新世代の勝利を用意した。

01

解説

概要

レアー(Ῥέα)は、ギリシア神話のティーターン神族に属する女神であり、ゼウスら主要なオリュンポスの神々を産んだ母である。天空神ウーラノスと大地の女神ガイアの娘で、兄クロノスの妻となった。豊穣と母性を司る、大地母神的な性格をもつ。

神話・物語

ヘシオドス『神統記』によれば、レアーはクロノスとの間にヘスティアーデーメーテールヘーラーハーデースポセイドーン・ゼウスを次々にもうけた。しかしクロノスは「わが子に位を奪われる」との予言を恐れ、生まれた子を片端から呑み込んでしまう。

末子ゼウスを身ごもったレアーは、両親ガイアとウーラノスに助けを求め、ひそかにクレータ島でゼウスを産んだ。そして赤子の代わりに、産着でくるんだ石をクロノスに手渡す。クロノスはそれと知らず石を呑み込んだ。成長したゼウスはやがて父に呑まれた兄姉を吐き出させ、ティーターンとの戦いに勝って世界を治める。レアーの機転が、旧世代から新世代への交代を用意したのである。

図像と象徴

レアーを最もよく特徴づけるのは、産着にくるんだ石をクロノスに差し出す場面である。アッティカの陶器やローマ期の浮彫に、この受け渡しの情景が繰り返し表された。単独像では、獅子を従え、城壁をかたどった冠(城壁冠)をいただく荘厳な坐像として描かれることが多い。これは小アジアの母神キュベレーとの習合によるもので、両者はしばしば「大母神」として一体視された。エレウシスなどの聖域には、そうしたレアー=キュベレー像が伝わる。

系譜と関係

父ウーラノス、母ガイア。夫は兄クロノス。子はヘスティアー・デーメーテール・ヘーラー・ハーデース・ポセイドーン・ゼウスの六柱で、オリュンポスの中核をなす。ローマ神話では豊穣の女神オプスと、また信仰の上では小アジアのキュベレーと同一視された。

文化的足跡

子を救う母、世代交代を助ける知恵の女神として、レアーは家父長的な神話のなかで異彩を放つ。キュベレーとの習合を通じて、その信仰は「大母神」崇拝としてギリシア・ローマ世界に広く根を張った。産着の石の逸話は、身代わりの原型的な物語として今日も語り継がれている。

02

領分・別名

INTERPRETATIO — 同一視・同源
ヌト エジプト神話 同一視
インテルプレタティオ・グラエカ。プルタルコス『イシスとオシリスについて』はヌトをレアーと呼び、五日間の子らの誕生を語る
キュベレー ギリシア神話 同一視
小アジアの母神キュベレーとの習合。ギリシア人は外来のこの女神をクロノスの妻レアーと同一視し、自らの系譜に組み入れた。プリュギアの伝承がそう語っていたわけではなく、受容の結果として成立した同一視である。
オプス ローマ神話 同一視
ローマ人はオプスをギリシアのレアーと同一視した。夫サートゥルヌスがクロノスと同一視されることが、この対応を支えている。ウァロは、サートゥルヌスが天を体現するのに対しオプスは大地を体現すると説き、それゆえ「母」と呼ばれると述べた。

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承点線=異伝・別系統

フル系図ページを開く →
04

資料

Wikidata
Q108419 — 骨格データの出典
Commons
Rhea (mythology) — 図像カテゴリ