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プルートー
PLATE — PLŪTŌ
ROMA · ローマ神話
PLŪTŌ

プルートー

プルートーン · プルート

Jebulon CC0

ローマ神話の冥界と地下の富の神。ギリシアのハーデースの婉曲名プルートーンを受容し、古来の冥界神ディス・パテルやオルクスを吸収して成った。

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解説

概要

プルートー(Plūtō / Pluto)は、冥界と地下の富を司るローマの神である。名はギリシア語のプルートーン(「富める者」)に由来し、これは口にするのを憚られた冥王ハーデースを、その地下の富にちなんで婉曲に呼んだ称であった。ローマはこの名を神名として受け容れ、さらに古来の冥界神ディス・パテルオルクスを吸収して、一柱の死と富の神を形づくった。

神話・物語

ローマにはもともと、冥界と地下に関わる複数の神があった。ディス・パテル(「富める父」)は、耕地と地中の鉱物の富に結びつく神で、その名が最高神ユーピテルの古形と響き合うことから、もとはユーピテルの一側面であったとも考えられている。より陰惨な死の運び手オルクスもあった。これらが、ギリシアのハーデースと重ね合わされるインテルプレタティオ・ロマーナを経て、プルートーの名のもとに一つに束ねられていった。

豊かな物語の多くは、この同一視を通じてギリシアから流れ込んだものである。大地の女神ケレースの娘プロセルピナ(ギリシアのペルセポネー)を攫って冥界の后とし、その往還が季節の循環を生むという筋書きがその代表である。一方で、祖霊を祀るフェラーリアやパレンターリアといった祭祀、暗く人目を避けた場所で捧げられる供犠は、ローマ固有の死の観念に根ざす。ギリシア由来の物語とローマの祭祀とを、混同してはならない。

図像と象徴

プルートーは、あごひげをたくわえた厳めしい王として、玉座に坐す姿で表される。傍らには冥界の番犬ケルベロスが控え、手には笏や双叉の戟をとる。豊穣と地下の富を示す穀物枡(モディウス)や角状の器を伴うこともある。クレタ島の博物館に伝わるプルートー・セラピス像は、頭に穀物枡を戴きケルベロスを従えた坐像で、ヘレニズム期に東地中海で展開した冥王像の姿をよく伝える。

系譜と関係

ユーピテル、ネプトゥーヌスとは兄弟で、世界を分けたとき冥界を得た。后はプロセルピナ。ギリシアのハーデースとは、歴史上の同一視によって結ばれる(機能の類似ではなく史実としての習合であり、ディス・パテルやオルクスもその相のうちに数えられる)。地下の富を司る面での横断的な比較は富と幸運の神が受け持つ。

文化的足跡

1930年に発見された太陽系外縁の準惑星「冥王星(プルート)」は、暗く遠い辺境という連想からこの神の名を与えられた。「プルトクラシー(金権政治)」や元素プルトニウムの名も、富や冥界を意味するその語根に発する。FGO・女神転生など現代の創作にも登場する。

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領分・別名

INTERPRETATIO — 同一視・同源
ハーデース ギリシア神話 同一視
interpretatio romana。ローマはハーデースの婉曲名プルートーン(富める者)の方を神名として受容した。ローマ固有の祭祀をもつため別エンティティとして扱う
ディス・パテル ローマ神話 同一視
キケロ『神々の本性について』は Dis を『富める者』の意とし、ギリシアのプルートーンの訳語と説明する。共和政末以降、両名は事実上ひとつの神を指して用いられた。
オルクス ローマ神話 同一視
ウァッローはオルクスをプルートーの系譜(サートゥルヌスの子、プロセルピナの略奪者)に当てはめた。ただし詩語としては、冥界の君主プルートーに対し死を執行する側という語感の差が残る。

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承点線=異伝・別系統

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資料

Wikidata
Q152262 — 骨格データの出典
Commons
Pluto (mythology) — 図像カテゴリ