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アイネイアース
PLATE — ΑἸΝΕΊΑΣ
HELLAS · ギリシア神話
ΑἸΝΕΊΑΣ

アイネイアース

アエネアス · エネアス · アイネアース

Museo Archeologico Nazionale di Napoli PUBLIC DOMAIN

アプロディーテーの子でトロイアの武将。落城後に一族を率いて地中海を放浪し、イタリアに至ってローマ人の祖となった。

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解説

概要

アイネイアース(Αἰνείας / Aineias、ラテン語 Aeneas)は、トロイアの武将アンキーセースアプロディーテーの子である。ヘクトールに次ぐトロイア方の勇将として『イーリアス』に現れ、落城後は一族を率いて放浪し、イタリアに至ってローマ人の祖となったとされる。

ギリシアの叙事詩における脇役が、ローマの国民的叙事詩の主人公になるという例は他にない。ウェルギリウス『アエネーイス』が彼を選んだのは、『イーリアス』のなかで彼だけが「生き延びて子孫を残す」と神によって明言されているためである。

神話・物語

『イーリアス』第20巻、アキレウスに討たれかけた彼をポセイドーンが霧に包んで救い出す。トロイア方に敵対する神が敵将を助けるという異例の場面であり、そのとき神はこう述べる——アイネイアースとその子孫がトロイア人を治めることは定めである、と。第5巻ではディオメーデースに石を投げつけられ、救おうとした母アプロディーテーが手に傷を負った。

落城の夜については、彼一人が城を脱するという系統と、裏切って市を明け渡したとする系統の双方が古代からあった。ウェルギリウスが採ったのは前者であり、燃える市街から老父アンキーセースを背負い、幼子アスカニウスの手を引いて逃れる。妻クレウーサは途中で失われ、亡霊となって現れて西の地で新しい国を得ると告げた。父を背負う姿は、ローマが重んじた「ピエタース」——親と神と国への務め——の図像そのものとなる。

放浪の途上、トラーキアではポリュドーロスの亡霊に警告され、カーオニアではヘレノスアンドロマケーに再会して航路の予言を得た。カルタゴでは女王ディードーに迎えられて愛されるが、神の命によって去り、捨てられた女王は自ら死ぬ。クーマエのシビュッラに導かれて冥界へ下り(カタバシス)、父の霊からローマの未来を示される。

イタリアに着いた彼はラティウム王ラティーヌスの娘ラウィーニアを娶ろうとし、彼女の許婚であったルトゥリ人の王トゥルヌスと戦って勝つ。『アエネーイス』はトゥルヌスを討つ場面で終わる。

図像と象徴

古代美術における彼の主題は、父を背負う姿にほぼ集中する。前6世紀の陶画にすでに現れ、アウグストゥスのフォルムの彫像群やローマの貨幣にも用いられた。トロイアの敗将が背負われる老人とともに国家の徳目を体現するという、政治的に用いられた図像である。

本ページの主画像はポンペイの壁画(ナポリ国立考古学博物館 9009)で、負傷した彼から医師イアピュクスが鏃を抜き、傍らでアスカニウスが泣き、母アプロディーテーが治療の薬草を携えて現れる場面を描く。『アエネーイス』第12巻に基づく作例であり、詩の場面が壁画に取り入れられていたことを示す。

系譜と関係

父アンキーセース、母アプロディーテー。プリアモスとは遠い親戚にあたり、トロイア王家の傍系ダルダノス系に属する。妻はクレウーサ(プリアモスの娘)、のちラウィーニア。子はアスカニウス(ユールス)、シルウィウス。

ローマの氏族ユリウス家はアスカニウスの別名ユールスを祖と称した。カエサルとアウグストゥスがアプロディーテー=ウェヌスの子孫を名乗った根拠はここにあり、『アエネーイス』の政治的性格はこの系譜に支えられている。

文化的足跡

ローマ建国譚は彼に始まり、ロムルスに至る。両者のあいだの数百年は、アルバ・ロンガの王統によって埋められた。トロイア落人が西方に国を建てるという型は、アステュアナクスをフランク人の祖とする中世の伝説にも受け継がれている。

ダンテ『神曲』は『アエネーイス』第6巻の冥界行を下敷きとし、ウェルギリウス自身を案内者に据えた。ローマの詩人が中世の詩人を導くという構図は、この作品の受容の大きさを示している。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q82732 — 骨格データの出典
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