「下ること」を意味するギリシア語で、生きた者が冥界へ降りて帰還する物語の型を指す。霊を地上へ呼び上げるネキュイアと対をなす。ギリシアではケルベロスを連れ出したヘーラクレース、妻を求めたオルペウス、ペルセポネーを奪おうとしたテーセウスとペイリトオス、父に会うアイネイアースらの例がある。冥界の食物を口にしない、後ろを振り返らない、案内者を伴うといった禁忌と条件が繰り返し現れ、帰還の成否はその遵守にかかる。メソポタミアのイナンナ、日本のイザナギ、シュメールの諸伝承にも同型の物語があり、比較神話学が繰り返し取り上げてきた主題である。
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