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アンキーセース
PLATE — ἈΓΧΊΣΗΣ
HELLAS · ギリシア神話
ἈΓΧΊΣΗΣ

アンキーセース

アンキセス · アンキーセス · Anchises

アプロディシアス博物館蔵の浮彫。アンキーセースとアプロディーテー CC BY-SA 4.0

トロイア王家の一員でアエネーアースの父。アプロディーテーの人間の恋人となり、その秘密を口外して雷霆に撃たれた。燃える都から息子に背負われて脱出する。

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解説

概要

アンキーセース(Ἀγχίσης)は、ギリシアおよびローマ神話のトロイア王家の一員である。

ダルダニアの王カピュスとテミステー——イーロスの娘——の子とされる。アエネーアースの父として、そしてウェルギリウス『アエネーイス』における扱いによって最もよく知られる。

神話・物語

女神アプロディーテーの人間の恋人であった。イーダ山の麓で羊を追っていたこの若者に、ゼウスが女神を恋させたのである。

一つの版では、アプロディーテーはプリュギアの王女を装って彼を誘い、のちに正体を明かして、アエネーアースという名の子が生まれると告げた。あわせて、自分がその子の母であることを誰にも語ってはならぬ、語ればゼウスに雷霆で撃たれると警告する。彼はこの警告を守らず、雷霆に撃たれた。版によって、これによって盲目になったとも、死んだともいう。

アプロディーテーの誘惑とアエネーアース誕生を語る最初の主要な物語は、『ホメーロス風讃歌』第5歌「アプロディーテー讃歌」である。

『ビブリオテーケー』によれば、アンキーセースとアプロディーテーにはもう一人の子リュロスがあったが、子をなさずに死んだ。のちにエリオーピスという人間の妻を持ったとも古注は伝え、アエネーアースとリュロス以外にも子があったとされる。ホメーロス『イーリアス』は長女ヒッポダメイアの名を挙げ、「父と母の愛し子」と記す。彼女は従兄弟アルカトオスに嫁いだ。ビザンツの著述家ヨハンネス・ツェツェースは、もう一人の娘アガメーデーに言及する。

トロイア陥落ののち、老いたアンキーセースは子アエネーアースに背負われて燃える都を脱出した。この場面が、ローマにおける敬虔(ピエタース)の図像を決定づけることになる。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、アプロディシアス博物館所蔵の浮彫である。アンキーセースとアプロディーテーを表す。

美術における最も名高い主題は、父を背負って逃げる息子である。父を背に、幼子アスカニウスの手を引いて燃えるトロイアを去るアエネーアース——ローマにおいて、この構図は敬虔そのものの図像になった。ベルニーニの群像(1618〜19年、ボルゲーゼ美術館蔵)が代表的な作例である。

女神に愛されて罰される人間という型も、この人物を規定する。神との交わりは名誉であると同時に危険であり、口外すれば罰が降る。同じ構造はセメレーティートーノスの物語にも現れる。

系譜と関係

父はカピュス、母はテミステー。子はアエネーアース、リュロス、ヒッポダメイア。兄弟はアコイテースで、その子が祭司ラーオコオーンである。

トロイア王家の系譜において、ラーオメドーンの系統とは分かれる。ラーオメドーンの子プリアモスが本流の王位を継ぎ、アンキーセースの系統は傍流にあたる。トロイア滅亡後にアエネーアースが生き延びるのは、この傍流であるがゆえでもある。

文化的足跡

ウェルギリウス『アエネーイス』において、アンキーセースは第6巻で冥界の亡霊として再登場し、子にローマの未来を予言する。ローマの建国神話の中核をなす場面である。

日本語圏では、アエネーアースの父として名が挙げられる程度である。しかし燃える都から老父を背負って逃げるという図像は、ヨーロッパ美術における親孝行の代表的な表現として定着した。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q211953 — 骨格データの出典