マーヘーシュヴァリー
ラウドリー · マーヘーシー · シヴァーニー
サプタマートリカー(七母神)の第三。シヴァのシャクティとされ、三叉戟を執り牡牛ナンディンを乗騎とする女神。
解説
概要
マーヘーシュヴァリー(Māheśvarī / माहेश्वरी)は、サプタマートリカー(七母神)の第三に数えられる女神である。シヴァ(マヘーシュヴァラ)のシャクティとされ、その持物と乗騎を分かち合う。ラウドリー、マーヘーシー、シヴァーニーの名でも呼ばれる。
神話・物語
『デーヴィー・マーハートミヤ』第八章によれば、魔神シュンバとニシュンバとの戦いに際して、シヴァから生じた力が女性の姿をとったものである。牡牛に乗り、三叉戟を執り、蛇を装身具とし、三日月を冠に戴いて現れたと記される。
七母神の一員としてドゥルガーの側に立ち、魔神ラクタビージャとの戦いに加わった。個別の説話は乏しい。
図像と象徴
白い肌をもち、四臂に三叉戟、太鼓、数珠、髑髏の杯を執る。乗騎は牡牛ナンディン。三日月と蛇という、シヴァの図像を規定する二つの標をそのまま受け継ぐ。
象徴となるのは三叉戟である。破壊の神の力を分かち持つ者として、その武器が与えられている。
系譜と関係
シヴァのシャクティ。サプタマートリカーの体系では第三の位置にあり、ブラーフマニー、ヴァイシュナヴィー、インドラーニー、カウマーリー、ヴァーラーヒー、チャームンダーと一組をなす。
シヴァの配偶神パールヴァティーやドゥルガーと、どこまで区別されるかは文献によって揺れる。母神の体系においては、あくまでシヴァの力の女性形として、他の六柱と並列に置かれる点が特徴である。
文化的足跡
七母神の浮彫において、彼女は牡牛によって容易に識別される。エレファンタ島の石窟、エローラ石窟などに作例が残る。
インドの一部の商人共同体(マヘーシュワリー)は、その名をこの女神に遡らせる由来譚をもつ。神格の名が集団の自己認識に用いられた例である。