カウマーリー
カールッティケーイー · アンビカー · スカンダのシャクティ
サプタマートリカー(七母神)の第五。軍神スカンダのシャクティとされ、七柱のうち唯一、少女の姿で表される女神である。
解説
概要
カウマーリー(Kaumārī / कौमारी)は、サプタマートリカー(七母神)の第五に数えられる女神である。軍神スカンダ(クマーラ)のシャクティとされ、その持物と乗騎を分かち合う。カールッティケーイー、アンビカーの名でも呼ばれる。
神話・物語
『デーヴィー・マーハートミヤ』第八章によれば、魔神シュンバとニシュンバとの戦いに際して、スカンダから生じた力が女性の姿をとったものである。孔雀に乗り、槍を執って現れたと記される。
七母神の一員としてドゥルガーの側に立ち、魔神ラクタビージャとの戦いに加わった。個別の説話は乏しく、組のなかで語られるのが通例である。
図像と象徴
若く少女のような姿で描かれる。名のクマーリーは「乙女」を意味し、他の六柱が成熟した女性として表されるなかで、年齢によって区別される点が特徴である。四臂ないし六臂に槍、斧、旗を執り、乗騎は孔雀。
象徴となるのは槍(シャクティ)である。スカンダの武器の名がそのまま「力」を意味する語であることから、この母神においては武器と本質が同じ語で呼ばれることになる。
系譜と関係
スカンダのシャクティ。サプタマートリカーの体系では第五の位置にあり、ブラーフマニー、ヴァイシュナヴィー、マーヘーシュヴァリー、インドラーニー、ヴァーラーヒー、チャームンダーと一組をなす。
スカンダは配偶神をもたぬ、あるいは配偶神を伴う両様の伝統をもつが、この母神はその妃ではなく力の女性形として立てられる。七母神に共通する原理であり、妃と力とを区別する点にシャークタ派の思想が現れている。
文化的足跡
七母神の浮彫において、孔雀と若い姿によって識別される。南インドでは、少女を女神として礼拝するクマーリー・プージャーの慣行と結びつけられることがある。ネパールの生き神クマリも語を同じくするが、こちらはタレジュの顕現とされる別の伝統に属する。
七母神のうち最も年若い姿で表されることから、母神群が女性の一生の諸段階を配置したものとする読みが提出されてきた。乙女のカウマーリーから老いたチャームンダーまでを一組とみる解釈である。もっとも文献がこの読みを明示するわけではない。