ガルダ
ガルーダ · 迦楼羅(日本)
ヒンドゥー神話の鳥の王。維持神ヴィシュヌの乗物であり、蛇の一族ナーガを永遠の敵とする。仏教では迦楼羅として知られ、東南アジアの国章にもなっている。
解説
概要
ガルダ(गरुड / Garuda)は、インドの神話に語られる鳥の王である。鷲を思わせる巨大な神鳥で、維持神ヴィシュヌの乗物ヴァーハナとしてその旗にも掲げられる。蛇の一族ナーガを永遠の敵とし、これを喰らう者として知られる。ヒンドゥー教で崇拝されるほか、仏教では迦楼羅(かるら)として取り入れられ、東南アジアでは国家の象徴にもなっている。
神話・物語
ガルダの誕生譚は『マハーバーラタ』に詳しい。聖仙カシュヤパの妻ヴィナターを母とし、蛇たちの母カドゥルーを伯母(叔母)にもつ。二人の母は、乳海から生まれた天馬の尾の色をめぐって賭けをし、カドゥルーが我が子の蛇を尾に絡ませて欺いたため、負けたヴィナターはカドゥルーの奴隷となったと伝えられる。
母を解き放とうとしたガルダに、蛇たちは不死の霊薬アムリタを持ち来たれと求めた。ガルダは神々の守る炎と回転する刃をくぐり抜けて霊薬を奪い、しかしみずからは一滴も口にしなかった。その途上でヴィシュヌと出会い、飲まずとも不死とすること、そしてヴィシュヌの上に立つことを約束される代わりに、その乗物となることを誓った。さらに雷神インドラとも交わし、霊薬を蛇に渡したのちインドラがこれを取り返すこと、蛇を食としてよいことを取り決めたという。こうして母は自由の身となった。
図像と象徴
ガルダは、鷲の上半身と翼に人の下半身を備えた姿、あるいは人身に鷲の嘴と翼をもつ姿で表される。体は黄金、翼は赤、顔は白いとされ、頭に冠をいただく。腕は二本または四本で、耳飾りや腕輪には蛇があしらわれる——喰らう相手を身にまとうのである。しばしばヴィシュヌ(と妃ラクシュミー)を背に乗せ、あるいは蛇を掴んで踏みしだく姿で描かれる。
系譜と関係
父は聖仙カシュヤパ、母はヴィナター、兄は太陽神の御者アルナである。蛇の一族ナーガとは、母どうしの因縁に発する不倶戴天の間柄にあり、その敵対はしばしば鳥と蛇という対立の図式で語られる。ヴィシュヌの乗物としての結びつきは固く、その旗にも姿を留める。
文化的足跡
ガルダの信仰と造形は、インドを越えて東南アジア一帯に広がった。インドネシアは国章「ガルーダ・パンチャシラ」に、タイは王室の紋章にこの神鳥を戴き、国営航空会社の名にもその名が採られている。仏教では迦楼羅として天龍八部衆に数えられる。FGO・女神転生など現代の創作にもたびたび登場する。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。