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えびす
PLATE — えびす
YAMATO · 日本神話
えびす

えびす

恵比寿 · 蛭子 · 事代主

Kako Morita(1907年) PUBLIC DOMAIN

七福神のなかで唯一、日本にうまれた福の神。鯛と釣り竿を持つ姿で知られ、漁業の神から商売繁盛の神へと信仰を広げた。その正体は蛭子とも事代主ともいわれる。

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解説

概要

えびす(恵比寿 / 夷 / 戎)は、日本神話に根ざす福の神であり、七福神のなかで唯一、日本にうまれた神である。右手に釣り竿、左手に鯛を抱え、福々しい笑みをたたえた姿で親しまれる。もともとは漁業・海の神であったが、市の立つ港町や宿場を中心に信仰を集め、やがて商売繁盛の神へと性格を広げた。海の彼方から福をもたらす来訪神——それがえびす信仰の核にある。

神話・由来

えびすは、記紀に「えびす」の名では現れない神である。それゆえ古くから、記紀のどの神にあたるのかをめぐって諸説が立てられてきた。有力なのは二つである。

一つは、イザナギとイザナミの子として生まれた蛭子(ひるこ)とみる説である。蛭子は、三歳になっても足が立たなかったために葦の船に乗せて流された御子であり、その流された子がどこかの浜に漂着して海の神になった、という信仰と、海からやってくるえびすの姿とが重なった。この蛭子=えびす説は室町期に現れ、兵庫の西宮神社(えびす宮総本社)は、蛭子の漂着伝承と結びつく代表的な社である。

いま一つは、大国主の子、事代主(ことしろぬし)とみる説である。事代主は記紀国譲りの段で釣りをしていたと伝えられ、その釣りの姿が、鯛を釣り上げる海の神えびすと結びついた。この見方によれば、大国主(=大黒)とえびすは親子ということになり、「えびす・大黒」を一対で祀る習わしとも響き合う。いずれの説をとるにせよ、複数の神が「えびす」の名のもとに習合してきたこと自体が、この神の来歴なのである。

図像と象徴

えびすの図像は、きわめて分かりやすい。烏帽子をかぶり、狩衣をまとって、右手の釣り竿と左手の鯛——この二つの持物さえあれば、ひと目でそれと知れる。鯛は「めでたい」に通じる吉祥の魚であり、釣り竿は、網で一網打尽にするのではなく一尾ずつ釣るという、慎ましさや正直の徳をも表すとされる。大きな福耳とにこやかな笑顔もまた、福の神にふさわしい特徴として定着した。本項に掲げる図も、鯛を提げたえびすの姿を描いたものである。

象徴の底にあるのは、海の彼方からの来訪という観念である。漂着した神、寄り来たる神を「えびす」と呼んで祀る寄り神の信仰は各地にあり、漁村では大漁の神、農村では田の神、都市では商業の神として、土地ごとにその相を変えて受け入れられた。

系譜と関係

系譜は、えびすをどの神とみるかによって変わる。蛭子とみればイザナギ・イザナミの子であり、事代主とみれば大国主の子である。いずれにせよ、七福神のなかでは大黒天と並べて祀られることが多く、福をもたらす二神一対の代表とされてきた。

文化的足跡

えびす信仰は、西日本を中心に篤く、いまも各地の恵比寿社で受け継がれている。とりわけ西宮神社などの「十日戎(とおかえびす)」は、正月九日から十一日にかけて多くの参詣者を集める大祭である。えびすは地名や商標にも広く用いられ、福の神として現代の暮らしにも溶け込んでいる。漫画やゲームに登場することもあるが、そこでの造形は創作であり、信仰の伝えるえびすの姿とは切り分けて捉えるのがよい。

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領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承点線=異伝・別系統

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資料

Wikidata
Q1129330 — 骨格データの出典
Commons
Ebisu — 図像カテゴリ