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シーター
PLATE — सीता
BHARATA · ヒンドゥー神話
सीता

シーター

シータ · ジャーナキー · マイティリー

Daderot PUBLIC DOMAIN

ヒンドゥーの女神。叙事詩『ラーマーヤナ』の女主人公で、ラーマの妃。畝から生まれた大地の娘と伝えられ、羅刹王ラーヴァナにさらわれたことが物語全体の発端となる。

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解説

概要

ヒンドゥー神話の女神で、叙事詩『ラーマーヤナ』の女主人公。ミティラー国の王ジャナカの娘としてラーマの妃となり、ダンダカの森から羅刹(ラークシャサ)の王ラーヴァナにさらわれる。この一事が、ラーマによる救出戦という物語全体の骨格をなす。ヴィシュヌ派の伝統ではラクシュミーの化身(アヴァターラ)と位置づけられ、夫と対にして祀られる。名のシーターはサンスクリットで「畝」を意味し、その出自を大地の実りに結ぶ古い層が名そのものに残っている。

神話・物語

出生の伝えは一つに定まらない。ヴァールミーキ系の『ラーマーヤナ』では、ジャナカ王が祭祀のために田を犁いたとき畝から現れた子とされ、大地の女神ブーミの娘と語られる。一方『マハーバーラタ』に収められたラーマ物語(ラーモーパーキヤーナ)やヴィマラ・スーリのジャイナ教版『パウマチャリヤ』は、シーターをジャナカの実子とする。さらにジャイナ系の一部や後代の『アドブタ・ラーマーヤナ』は、ラーヴァナの娘として生まれたが破滅の予言のゆえに捨てられ、ミティラーの土中で見出されたという筋を伝える。

成人したシーターは、シヴァの弓を引ける者を婿とするスヴァヤンヴァラによってラーマを選ぶ。夫が森へ追放されると自ら従い、ダンダカの森で黄金の鹿に心を奪われた隙にラーヴァナに連れ去られた。ランカー島のアショーカの園に幽閉されたあいだ、彼女はラーヴァナの求めを拒み続ける。探索に訪れたハヌマーンが背に乗せて連れ帰ろうと申し出たときも、盗人のように去ることを拒み、夫が正面から迎えに来ることを望んだ。

救出後、ラーマは貞節の証しとしてアグニ・パリークシャーを求める。異伝では、さらわれたのは火神アグニがつくった幻影(マーヤー・シーター)であり、真のシーターは火中に匿われていたとされる。アヨーディヤーに帰還して王妃となったのちも民の疑いは消えず、身重のシーターは再び森へ送られ、ヴァールミーキの庵でクシャとラヴァの双子を産む。最後に潔白を問われる場に立った彼女は、証しを繰り返すことを選ばず、母である大地に呼びかけた。地が割れて現れたブーミに迎えられ、そのまま姿を消したという。

図像と象徴

単独像は多くない。チョーラ朝の青銅像に見られるように、ラーマ・ラクシュマナ・ハヌマーンと組んだ「ラーマ・パリヴァーラ(ラーマの一族)」の群像の一員として、右腕を垂らし左手に蓮の蕾を執る立像に鋳られるのが基本形である。ゆるやかな三曲法(トリバンガ)の身のこなしと控えめな装身具は、王妃としての品位と苦行者としての年月をともに担わせる造形といえる。

絵画では場面画が主流となる。パハーリー諸派やムガル系の『ラーマーヤナ』画帖は、黄金の鹿を指さす場面、アショーカの園で羅刹女に囲まれて座す場面、火中に立つ場面を繰り返し描いた。とりわけアショーカの園の図では、樹下にうつむいて座る小さなシーターと、それを取り巻く異形の見張りの対比が構図の要をなす。近代に入ると、ラヴィ・ヴァルマ工房の石版画が理想化された王妃像を大量に流通させ、今日の民衆的なシーター像の原型となった。

系譜と関係

父はミティラーの王ジャナカ(ヴィデーハ王)、母は大地の女神ブーミ、養母はスナヤナー。妹にウールミラー(ラクシュマナの妻)がおり、従妹のマーンダヴィーとシュルタキールティもラーマの弟たちに嫁いだ。夫とのあいだにクシャとラヴァの双子をもうける。父にちなむジャーナキー、国名によるマイティリー、ヴァイデーヒーはいずれも彼女の別名である。神学上はラクシュミーの化身とされ、ラーマ=ヴィシュヌとの対応が成り立つ。

名の由来である「畝」は、リグヴェーダに農耕の女神として一度だけ現れるシーターに遡る。この古い地母神と叙事詩の女主人公との関係は直接には辿れないが、王が田を犁く儀礼から生まれ、最後に大地へ還るという筋立ては、名の記憶を物語の骨格に組み込んだものと読める。

文化的足跡

物語は南アジアを越えて広がった。タイの『ラーマキエン』ではシーダー、ジャワの『カカウィン・ラーマーヤナ』ではシンタとして受け継がれ、バリの舞踊劇にも登場する。日本へは仏教説話を介して早くに伝わり、平安末期の説話集『宝物集』がその早い例として知られる。

北インドでは秋の野外劇ラームリーラーが毎年この物語を演じ直し、トゥルシーダースの『ラーマチャリタマーナサ』が広く台本に用いられる。一方で追放と潔白の証しをめぐる筋書きは、近代以降くり返し読み直されてきた。もっとも、シーターの側から嘆きを語る系統は近代の発明ではない。地方の口承や女性たちの労働歌のなかには、夫ではなく妻の視点でこの物語を歌う伝統が古くから存在する。

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領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承点線=異伝・別系統

ジャナカ
Sunayana
सीता
シーター
ヒンドゥー神話
राम
ラーマ
配偶者
ジャナカ
Sunayana
सीता
シーター
ヒンドゥー神話
収載データなし
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資料

Wikidata
Q191114 — 骨格データの出典
Commons
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