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PLATE — ΒΡΌΝΤΗΣ
HELLAS · ギリシア神話
ΒΡΌΝΤΗΣ

ブロンテース

ブロンテス · Brontes · Βρόντης

キュクロープス三兄弟の一人。名は「雷鳴」を意味する。シチリアのブロンテの町名の由来とされ、それが英文学のブロンテ姉妹の姓につながったとする説がある。

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解説

概要

ブロンテース(Βρόντης、「雷鳴」)は、ギリシア神話キュクロープスの一人である。ウーラノスガイアの子で、ステロペース(「電光」)、アルゲース(「輝き」)とともに三兄弟をなす。

名はギリシア語のブロンテー(βροντή、雷鳴)に由来する。

神話・物語

ヘーシオドス『神統記』によれば、三兄弟は額の中央に一つだけ目を持ち、ティーターン神族およびヘカトンケイルの兄弟にあたる。

ゼウスに縛めを解かれた礼として、彼らはゼウスに雷霆を、ポセイドーンに三叉の矛を、ハーデースに姿を隠す兜を与えた。ティーターノマキアーはこの三つの武器によって決した。

三兄弟はのちにアポローンの矢によって射殺される。子アスクレーピオスを雷霆で撃たれた報復として、その雷霆を鍛えた者たちが狙われたのである。

ウェルギリウス『アエネーイス』第8巻は、ヘーパイストスの工房での作業を描く。そこでブロンテース、ステロペース、そしてピュラクモーン(ラテン語では第三の名がアルゲースではなくこの形をとる)が、シチリア沖のリパリ島の洞窟で雷霆を鍛えている。三人が交互に槌を振り下ろし、鉄を捻り、風を送る——ローマの叙事詩が伝える鍛冶場の情景である。

図像と象徴

三兄弟を個別に描き分けた古代の作例は知られておらず、本サイトも主画像を掲げない。ルーカ・ジョルダーノ《ウゥルカーヌスの鍛冶場》(1660年頃)をはじめ、近世ヨーロッパの絵画はキュクロープスを鍛冶場で働く集団として描く。ヴァティカン・ウェルギリウス写本(400年頃)にも鍛冶に従事するキュクロープスの図があるが、いずれも名は伴わない。

名が意味するのは音である。兄弟のステロペースが光を、アルゲースが輝きを担うのに対し、この一人は雷鳴を担う。雷という現象を、聴覚と視覚に分けて名づけたことになる。

関わる神格・伝承

兄弟はステロペースとアルゲース。両親はウーラノスとガイア。ヘーパイストスの助手とされることもある。

シチリア島のブロンテという町の名は、この名に由来するとされる。エトナ山の西麓にあり、火山の轟きが雷鳴に重ねられたものと解される。

なおギリシアには、雷に関わるブロンテーという小女神も別に存在する。同じ語からの派生であり、混同されやすい。

文化的足跡

シチリアのブロンテは、19世紀に英国の提督ホレーショ・ネルソンがブロンテ公の称号を得た土地でもある。この称号が英国に伝わり、姓としてブロンテ家——シャーロット、エミリー、アンの三姉妹——の名につながったとする説がある。父パトリックが元の姓 Brunty をこの綴りに改めたという経緯である。

雷鳴を意味するキュクロープスの名が、シチリアの町を経て、英文学史上の三姉妹の姓になった。名の旅としてはかなり長い部類に属する。

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領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承点線=異伝・別系統

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資料

Wikidata
Q2291710 — 骨格データの出典