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ソール
PLATE — SÓL
NORÐR · 北欧神話
SÓL

ソール

ソル · スンナ · スーナ

Lorenz Frølich(1895年) PUBLIC DOMAIN

北欧神話の太陽の女神。ムンディルファリの娘で、月のマーニとは兄妹。二頭の馬に車を牽かせて空を渡り、狼スコルに追われて、ラグナロクの日に呑まれる。

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解説

概要

ソール(Sól)は、ゲルマン諸族の伝承において太陽を人格化した女神である。古高ドイツ語ではスンナ、古英語ではシゲルあるいはスンネと呼ばれ、古ノルド語でもスンナは同義語として用いられた。北欧神話では二頭の馬に牽かせた車で空を渡り、アールヴロズル(「エルフの円盤」)とも呼ばれる。

名はそのまま「太陽」を意味する普通名詞である。サンスクリットのスーリヤ、ブリトン語のスリス、リトアニアのサウレ、ラテン語のソル、スラヴのダジボーグの称と語源を同じくし、印欧祖語にまで遡る。

神話・物語

古高ドイツ語の『メルゼブルクの呪文』(9〜10世紀)が、この女神を伝える最も古い記録である。バルデルの仔馬が足を挫いたとき、シントグントが呪を唱え、その姉妹スンナが唱え、フリーアが唱え、その姉妹フォラが唱え、最後にウォーダンが唱えて骨が癒えた——そう歌われる。北欧の文献より三百年ほど古く、しかも北欧の外に姉妹をもつ太陽の女神がいたことを示す、短いが重い証言である。

古エッダ』では複数の詩に現れる。『ヴァフスルーズニルの言葉』では、オーディンの問いに答えて巨人ヴァフスルーズニルが、ムンディルファリはソールとマーニの父であり、二人は毎日空を渡って人のために年を数えねばならないと語る。同じ詩でオーディンが、フェンリルが今の太陽を襲ったのちどこから次の太陽が来るのかと問うと、巨人は、ソールが襲われる前に娘を産み、その娘が母の道を行くのだと答えた。世界が終わっても太陽は絶えない。

『グリームニルの言葉』は、太陽の前にスヴァリンという楯が置かれており、これが落ちれば山も海も燃え上がると語る。同じ詩の別の節では日と月がそれぞれ狼に追われるとされ、太陽を追うのがスコル、月を追うのがハティ・フローズヴィトニスソンである。

『アルヴィースの言葉』では、トールが小人アルヴィースに、太陽は世界ごとに何と呼ばれるかを問う。人はソール、神々はスンナ、小人は「ドヴァリンの惑わし」、巨人は「常しえの輝き」、エルフは「美しき車輪」、アース神族の子らは「すべてを照らすもの」と呼ぶ。ケニングの宝庫として名高い一節である。

スノッリの『散文のエッダ』はこれを物語に整えた。ムンディルファリには二人の子があり、あまりに美しかったので太陽と月にちなんで名づけられた。父のこの傲慢に神々は怒り、二人を天に置いて、アールヴァクとアルスヴィズという馬が牽く日の車を駆らせた。車はムスペルヘイムから飛んできた燃える塵から作られたものである。馬が焼けないよう、神々はその肩の下にイーサルンコルという鞴を置いた。

ギュルヴィが、太陽はまるで死を恐れているかのように急ぐと言うと、高き者は答える——驚くにはあたらない、追う者がすぐ後ろにいて、彼女には逃げるほかないのだ、と。

図像と象徴

異教期の造形として、確実にこの女神を描いたと言えるものは知られていない。しかし太陽そのものの図像は古い。北欧青銅器時代(前1400年ごろ)のトルンホルムの太陽の車は、片面を金で覆った円盤を一頭の馬が牽く小型の青銅像で、馬に牽かれる太陽という観念が文献より二千年以上さかのぼることを示している。

ルドルフ・ジメクは、この遺物こそが観念の古さの証拠だとしつつ、太陽の人格化そのものを裏づける資料は『メルゼブルクの呪文』と『古エッダ』しかなく、ゲルマンの太陽崇拝を想定するには足りないと述べる。青銅器時代から中世まで続く、太陽の意匠と船を組み合わせた儀礼の痕跡についても、人格化された太陽ではなく豊穣神——ニョルズフレイのような——への信仰に由来するのではないかと見ている。

ルーン文字の s(ᛋ)はソールと呼ばれる。アイスランドのルーン詩がこの名を用い、女神を仄めかしているとされる。

近代の視覚像は挿絵本に始まる。本サイトが掲げるのはロレンツ・フレーリックが1895年に描いた図で、マーニと並んで空を行くソールを表す。ジョン・チャールズ・ドルマンの《太陽と月を追う狼たち》(1909年)と並んで、今日流通する図像の源である。

系譜と関係

父はムンディルファリ、兄弟は月のマーニ。夫はグレンとされる。『詩語法』は彼女のケニングとして「ムンディルファリの娘」「マーニの姉妹」「グレンの妻」「天と大気の火」を挙げ、別の章では「日の星」「円盤」「常しえの輝き」「美しき車輪」「エルフの円盤」といった異名を列挙する。娘の名は伝わらず、ラグナロクののち母の道を継ぐことだけが語られる。

『ギュルヴィたぶらかし』は彼女をビルとともに女神(アーシュニュル)に数える。ジョン・リンドウは、ソールが女性でマーニが男性であるのは、おそらく名詞の文法性——ソールは女性名詞、マーニは男性名詞——によるのだろうと述べ、太陽が北欧の宗教で中心的な位置を占めていたと論じるのは難しいとしている。人格化が確実といえるのは『ヴァフスルーズニルの言葉』の数節だけである、というのが彼の見立てである。

文化的足跡

太陽が女性、月が男性という組み合わせはゲルマン語圏に共通し、ギリシア・ローマとは逆である。ドイツ語の die Sonne / der Mond に今も残る性別の配置は、この伝承の層に属している。

現代の幻想文学やゲーム作品では、狼に追われる太陽という設定が好んで用いられる。ただし原典の彼女は、追われながらも一日も休まず空を渡り続ける神であり、恐怖よりも持続のほうがその本質に近い。

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領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承点線=異伝・別系統

ムンディルファリ
MÁNI
マーニ
兄弟姉妹
SÓL
ソール
北欧神話
Glenr
配偶者
ムンディルファリ
SÓL
ソール
北欧神話
Glenr
配偶者
収載データなし
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資料

Wikidata
Q654596 — 骨格データの出典
Commons
Sól (Sun) — 図像カテゴリ