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ペーレウス
PLATE — ΠΗΛΕΎΣ
HELLAS · ギリシア神話
ΠΗΛΕΎΣ

ペーレウス

ペレウス · ペーレウス · Peleus

Marsyas CC BY-SA 2.5

ギリシア神話の英雄。アイアコスの子で、変身する女神テティスを組み伏せて妻とし、アキレウスの父となった。

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解説

概要

ペーレウス(Πηλεύς / Pēleus)は、アイギーナ島の王アイアコスの子で、テッサリアのプティーアを治めた英雄である。海の女神テティスの夫、アキレウスの父にあたる。

彼は「人間でありながら女神を妻とした者」として語られる。ただしその生涯は、殺人と亡命と裏切りの連続であり、栄誉よりも浄めを重ねる経歴になっている。二度にわたって殺人の穢れを祓われ、その二度目の恩人の妻に讒言されて命を狙われる。

神話・物語

兄テラモーンとともに異母兄弟ポーコスを殺したため、二人はアイギーナ島を追われた。プティーアへ逃れた彼は、アクトールの子エウリュティオーンに罪を浄められる。

ところがカリュドーンの猪狩りで、猪を狙って投げた槍が誤ってそのエウリュティオーンに当たり、彼はふたたび殺人者となった。逃れた先のイオールコスで、ペリアースの子アカストスに二度目の浄めを受ける。

そこで王妃アステュダメイアが彼に恋し、拒まれると報復に転じた。まず彼の妻アンティゴネーに、夫がアカストスの娘と結婚しようとしていると偽りを伝える。信じた妻は縊れて死んだ。次に夫アカストスへ、ペーレウスが自分に言い寄ったと訴えた。自ら浄めた男を手にかけることを避けたアカストスは、狩りを口実にペーリオン山へ連れ出し、武器を隠して置き去りにする。ケンタウロスたちに襲われた彼を救ったのはケイローンであった。客をもてなす義務を守りながら殺意を果たそうとする構図は、プロイトスベレロポーンに手紙を持たせた話と同じ型である。

のちに彼はアルゴナウタイの仲間とともにイオールコスを攻め落とし、アステュダメイアを四肢に裂いて復讐を果たした。

テティスとの結婚は、ケイローンの助言によって成った。海辺で眠る女神に組みつき、炎にも獅子にも蛇にも変じる相手を離さずにいると、ついに彼女は観念する。変身し尽くすまで押さえ続けるという手順は、プローテウスから予言を引き出す方法と同じである。神を相手に力ずくで要求を通す型が、ここでは結婚に用いられている。

ペーリオン山での婚礼には神々が列席した。ケイローンはとねりこの槍を、ポセイドーンは不死の馬クサントスとバリオスを贈り、いずれものちにアキレウスが用いる。招かれなかったエリスの投じた黄金の林檎からパリスの審判が生じ、トロイア戦争へつながった。

妻が子を不死にしようとするのを止めたために、彼女は海へ帰る。老いた彼はアカストスの子らに襲われてプティーアを追われ、孫ネオプトレモスと会ったのち亡命先で死んだと伝えられる。

図像と象徴

古代美術における彼の主題は二つに集中する。変身するテティスに組みつく場面と、幼い息子をケイローンに託す場面である。

本ページの主画像は前500年頃のアッティカ白地黒絵式レキュトス(エディンバラの絵師、エレトリア出土、アテネ国立考古学博物館 1150)で、後者を描く。父が子を差し出し、ケンタウロスが受け取るという構図であり、英雄の生涯のうち「手放す」場面が選ばれている。

婚礼の行列は、黒絵式のソフィロスのディノス(大英博物館)やフランソワの壺に大画面で描かれた。神々が人間の結婚式に列席する唯一の機会として、この主題は前6世紀の陶画で特別な扱いを受けている。

系譜と関係

父はアイギーナ島の王アイアコス、母はエンデーイス。兄は大アイアースの父テラモーン、異母兄弟にポーコス。

最初の妻はエウリュティオーンの娘アンティゴネー——オイディプースの娘とは同名の別人である。次の妻がテティスで、その子がアキレウス、孫がネオプトレモスにあたる。

文化的足跡

ホメーロスがアキレウスに与える呼称「ペーレウスの子」は『イーリアス』全編で繰り返され、彼の名は息子の名の一部のように機能している。事績よりも「誰の父であるか」によって記憶された人物であり、ラーエルテースオデュッセウスの呼称に残ったのと同じ位置にある。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q178641 — 骨格データの出典
Commons
Peleus — 図像カテゴリ