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マハーバリ
PLATE — महाबली
BHARATA · ヒンドゥー神話
महाबली

マハーバリ

マハーバリ · バリ · マーヴェーリ

ヴァーマナ・バリ・シュクラを描いた細密画 PUBLIC DOMAIN

三界を制したアスラの王。矮人ヴァーマナに三歩ぶんの土地を約束し、三歩めに自らの頭を差し出して地底へ送られた。敗者でありながら理想の名君として描かれ、ケーララの収穫祭オナムは年に一度の帰還を迎える祭である。

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解説

概要

ヒンドゥー神話に語られるアスラ(ダイティヤ)の王。バリとも、南インドではマーヴェーリとも呼ばれる。三界を制したが、矮人の姿で現れたヴィシュヌの化身に三歩ぶんの土地を与える約束を守り、自らの頭を踏まれて地底世界へ送られた。敗者でありながら悪役として描かれない点にこの王の特異さがある。多くの文献は彼を寛大で公正な名君とし、討った側のヴィシュヌ自身が彼を称えて不死を授けたと語る。ケーララ州の収穫祭オナムは、年に一度帰還する彼を迎える祭りとして今日も営まれている。

神話・物語

祖父はヴィシュヌへの信仰を貫いて父に迫害された王子プラフラーダであり、その血筋がマハーバリの性格を規定している。彼は苦行と祭祀を重ねて力を蓄え、インドラを破って天界を含む三界を手中にした。その治世は、後代の文献がしばしば理想の時代として描くところである。人々は正直で健やかであり、欺きも貧しさもなかったと語られる。

天界を追われた神々はヴィシュヌに訴えた。しかしヴィシュヌは、マハーバリが善良な王であり自らの信者でもあることを理由に、武力で討つことを退ける。かわりに矮人ヴァーマナとして生まれ、王が営む馬祀祭の場に現れて、三歩ぶんの土地を乞うた。

師のシュクラは相手の正体を見抜き、断るよう諫めた。だがマハーバリは、乞われたものは与えるという誓いを破ることを拒む。約束が成るや矮人は巨大化し、一歩で大地を、二歩で天を測った。三歩めをどこへ置くかと問われて、王は自らの頭を差し出した。

その後の扱いは文献によって割れる。地底世界パーターラへ追われたとする伝え、ヴィシュヌに触れられて天へ昇ったとする伝え、より高いスタラ界の王とされたとする伝えがある。共通するのは、彼が罰せられただけでは終わらないことである。多くの伝承で彼は不死者(チランジーヴィ)の一人に数えられ、次のマンヴァンタラ(マヌの一期)にはインドラの位に就くとされる。ジャイナ教の文献はこれと大きく異なり、彼をプラティヴァースデーヴァ(対抗者)の第六に置いて、悪しき王として描く。

図像と象徴

単独の神像はほとんど作られない。彼が表されるのは、つねにヴァーマナの物語の場面のなかである。中世の寺院彫刻では、玉座に座るか跪いて水を注ぐ王として、傘をさしかけられた矮人と向かい合う。ソームナートプル、ハレビードなどホイサラ朝の寺院に良い作例が残る。トリヴィクラマの大浮彫では、跳ね上げられた脚の下に小さく配され、天を蹴る神の巨大さを測る基準の役を果たす。

ケーララの民俗図像はこれと別の系統をなす。オナムの飾りに現れるマーヴェーリは、大きな腹と口髭、王冠と傘をもつ愛嬌のある姿で描かれ、神に敗れた王というより、帰ってくる懐かしい統治者として親しみをこめて表される。同じ人物が、北の神話画では跪く敗者、南の民俗図像では笑顔の名君として描かれている。

系譜と関係

ダイティヤの王ヴィローチャナの子、プラフラーダの孫にあたり、聖仙カシュヤパディティの系統に連なる。妻はヴィンディヤーヴァリー。子にはシヴァの信者として知られるバーナ(バーナースラ)がある。師はアスラの導師シュクラ。

対するヴァーマナは、カシュヤパとアディティの子である。アディティの子が神々、ディティの子がアスラとされることから、両者はカシュヤパを共通の祖とする異母の系統に属する。神とアスラの対立が兄弟の争いであるという構図が、この物語にも及んでいる。

文化的足跡

ケーララ州では、マハーバリの帰還を迎えるオナムが州最大の祭りとして十日間にわたって営まれる。花で描くプーッカラム、蛇船競漕、バナナの葉に盛る精進の饗宴が伴い、宗教の枠を越えた地域の行事として定着している。西インドではディーワーリー期のバリ・プラティパダーが同じ伝承にもとづく。

敗れた王を祝う祭りが千年以上続いてきたことは、この物語が単純な善悪の図式で受け取られてこなかったことを示している。近代以降、マハーバリの治世を平等な理想社会として読み、征服される側の記憶として捉える解釈も現れた。ケーララの詩歌や政治的言説のなかで、この王の名は繰り返し引かれている。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q59178 — 骨格データの出典
Commons
Mahabali — 図像カテゴリ