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トラソルテオトル
PLATE — TLAZŌLTEŌTL
AZTECA · アステカ神話
TLAZŌLTEŌTL

トラソルテオトル

トラソルテオートル · イシュクイナ · イシュクイナメ

British Museum PUBLIC DOMAIN

アステカ神話の地母神。穢れを食らって浄める神であり、人を情欲へ導く力と、告解によってそれを赦す力の双方を司った。

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解説

概要

トラソルテオトル(Tlazōlteōtl)は、アステカ神話地母神である。名はナワトル語で「穢れ(tlazōlli)の神(teōtl)」を意味する。ここでいう穢れは、塵芥や排泄物といった物理的な汚れと、性的な逸脱という道徳的な汚れの双方を指す。この神は人に情欲を吹き込んで穢れへ導き、同時にその穢れを食らって浄める。導く者と赦す者が同じ一柱であるという構造が、この神格の核心にある。

別名は多い。トラエルクアニ(穢れを食らう女)、トラソルミキストリ(情欲による死)、そしてイシュクイナ。最後の名はメキシコ湾岸のワステカ人が奉じた母神に由来し、トラソルテオトルはこのワステカの女神をアステカが取り込んで成立したとみられている。

神話・物語

この神には、誕生や闘争を語る筋立った説話がほとんど伝わらない。伝わるのは儀礼である。

最もよく知られるのが告解の作法である。罪を告げようとする者はトラポウキと呼ばれる占い師のもとを訪れ、占い師はトナルポワリを繰って日を選ぶ。当日、告解を聞いた占い師は罪の軽重に応じて贖罪を課した。断食、供物、儀礼の歌と舞である。この赦しは生涯にただ一度しか受けられないとされたため、実際に告解に及ぶ者は老人が多かった。ディエゴ・ドゥランは、神像の前で罪を告げ、舌や耳から血を出す放血が伴ったことを記している。

浄化のもう一つの手段が蒸し風呂テマスカルであった。病——とりわけ性交に由来する病は、穢れが体に取り憑いた状態と解され、蒸気による浄めとこの神への祈りによって癒されると考えられた。

祭はオチパニストリ(掃き清め)の月に営まれ、収穫の到来を告げた。また八年ごとのアタマルクアリストリの祭では、若いトウモロコシの神センテオトルとともに祈りの対象となった。イシュクイナの名で呼ばれるとき、この神はティヤカパン(長女)、テイクイ(次女)、トラコ(中の女)、ショコツィン(末女)という年齢の異なる四姉妹として現れ、四つの位相をもつ一柱として扱われた。

図像と象徴

絵文書のトラソルテオトルは見分けやすい。口の周りを黒く塗り——瀝青やゴムを塗った表現とされる——、頭飾りに木綿の紡錘を挿し、耳飾りにも綿を用いる。手には草の箒を持つことが多く、これが掃き清める神、すなわち浄める神であることを示す。口の周りの黒は、穢れを食らった痕として読まれる。

ボルボニクス絵文書』第13トレセーナの頁は、この神の図像の代表である。剥いだ人皮をまとった女神が両脚を開き、幼いトウモロコシの神を産み落とす。穢れと出産、死と再生が一つの図に畳み込まれている。

ただし、口の黒と木綿の紡錘は老いた地母神トシの徴でもあり、絵文書の図がどちらの神を描いたかで判断が割れることは珍しくない。両者は史料の側ですでに重ねられており、図像だけで切り分けるには限界がある。

彫刻では、メキシコ湾岸のパヌコ川流域から出土したワステカの砂岩像群が、この神ないしその母神と結びつけられる。正面を向いて立ち、扇状の大きな頭飾りを負う一連の女性像である。

系譜と関係

テテオ・インナン(神々の母)すなわちトシ、コアトリクエショチケツァルといった地母神群と近い位置にある。浄化を司る点ではトシと重なり、愛を司る点ではショチケツァルと重なるが、ショチケツァルの領分が花と美の愛であるのに対し、この神が受け持つのは肉欲の側である。センテオトルは、絵文書の図像上その子として産み落とされる。火の神シウテクトリとは共通の鼻飾りをつけ、黒曜石の蝶の女神イツパパロトルとも近しいとされる。

暦の上ではトナルポワリのジャガーの日を司り、「1の動き」に始まるトレセーナの守護神である。産褥で死んだ女性が神格化したシワテテオとも結ばれ、西に配当された五つのトレセーナの初日、十字路に現れるとされた。

文化的足跡

ワシントンのダンバートン・オークス美術館が所蔵する「出産する女神」の石像は、この神を表したものとして広く知られ、映画『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』冒頭に登場する黄金像の意匠もこれに拠っている。ただし近年、この像については19世紀の制作を疑う研究が提出されており、真贋の議論は決着していない。図像の由来を確かめないまま流通した造形が、いかに強い影響力をもつかを示す例でもある。

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領分・別名

INTERPRETATIO — 同一視・同源
トシ アステカ神話 同一視
『フィレンツェ写本』はテテオ・インナン(神々の母)の名で両者を重ね、口の周りの黒と木綿の紡錘という同一の徴を伝える。テマスカルの守護も共有する。ただし別個の神格として扱う資料もある。

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承点線=異伝・別系統

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センテオトル
収載データなし
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資料

Wikidata
Q850249 — 骨格データの出典
Commons
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