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トシ
PLATE — TOCIH
AZTECA · アステカ神話
TOCIH

トシ

テテオ・インナン · トラリ・イヨロ · テマスカルテシ

Codex Tovar (Juan de Tovar, 1585) PUBLIC DOMAIN

アステカ神話の老いた地母神。「我らの祖母」を意味し、蒸し風呂と産婆・治療者の守護神である。トラソルテオトルとしばしば同一視される。

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解説

概要

トシ(Tocih)は、アステカ神話の老いた地母神である。名はナワトル語で「我らの祖母」を意味する。『フィレンツェ写本』はこの神の別名として、テテオ・インナン(神々の母)、トラリ・イヨロ(大地の心臓)を挙げる。コアトリクエの一位相とみなされることもあり、独立した神格というより、地母神の老年相を束ねる呼び名に近い。

神話・物語

メシカがメキシコ盆地へ移り住む伝承に、この神の由来が語られる。アストランを出た放浪の途上、メシカはコルワカンの主に仕えた。主は娘を差し出して婚姻を結ばせようとしたが、メシカの守護神ウィツィロポチトリは、娘を生贄として皮を剥ぐよう命じた。剥いだ皮は若者に着せられ、娘はトシに変じた。これを見たコルワカンの主は激怒してメシカを追い、追われた一族はテスココ湖の島に逃れて、そこにテノチティトランを築いた。都の起源譚に、この神の成立が組み込まれている。

図像と象徴

老いた神とされながら、老齢の徴を明示して描かれるとは限らない。口と鼻のまわりを黒く塗り、木綿の紡錘を挿した頭飾りをつけるのが標準の姿である。ただしこれはトラソルテオトルの徴でもあり、絵文書の図がいずれの神を描いたかで判断が割れることは多い。両神は史料の側ですでに重ねられている。

戦いの神でもあり、盾と弓矢を執る姿でも描かれる。「争いの女」という異名もこれに対応する。

系譜と関係

治療者と産婆の守護神であり、テマスカルテシ(蒸し風呂の祖母)の名をもつ。テマスカルは産後の養生と病の治療に用いられ、その多くはこの神かトラソルテオトルに捧げられていた。

「大地の心臓」の相においては、収穫祭オチパニストリの主役となる。祭では産婆たちが女性にこの神の装いをさせ、生贄として捧げたと伝えられる。掃き清めと収穫と供犠が一続きの所作をなす祭であり、老いた地母神がその中心に据えられていた。

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領分・別名

INTERPRETATIO — 同一視・同源
トラソルテオトル アステカ神話 同一視
『フィレンツェ写本』はテテオ・インナン(神々の母)の名で両者を重ね、口の周りの黒と木綿の紡錘という同一の徴を伝える。テマスカルの守護も共有する。ただし別個の神格として扱う資料もある。
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資料

Wikidata
Q2349305 — 骨格データの出典