センテオトル
シンテオトル · センテオートル
アステカ神話のトウモロコシの神。若々しい青年の姿で表され、穂を模した冠を戴く。主食を司る神として広い地域で崇められた。
解説
概要
センテオトル(Centēōtl)は、アステカ神話のトウモロコシの神である。シンテオトルとも表記する。名はナワトル語で「トウモロコシ(centli / cintli)の神」を意味する。主食を司る神として、アステカの版図を超えた広い地域で崇められた。
神話・物語
植民地時代初期の『メシカの歴史』は、この神をピルツィンテクトリとショチケツァルの子とする。ピルツィンテクトリはショチピリの一位相である。生まれたセンテオトルを埋めた地からは、トウモロコシ、チア、ワタといった作物が生え出たという。神の身体が作物になるという筋立ては、メソアメリカの穀霊神話に広く見られる型である。
『ボルボニクス絵文書』第13トレセーナの図では、剥いだ人皮をまとったトラソルテオトルが幼いこの神を産み落とす。穢れを浄める女神から穀物の神が生まれるという構図であり、土と作物の関係がそのまま神格の関係に置き換えられている。
図像と象徴
若く生気に満ちた青年の姿で表され、頭にはトウモロコシの穂を模した冠を戴く。顔に穀粒や穂の意匠を配することもある。雨神トラロックの庇護下にある神とされ、雨と穀物の従属関係が図像にも表れる。
系譜と関係
トウモロコシの神格は、性と生育段階によって分化している。若い穂を担う男神がセンテオトルであり、成熟した穀物の女神としてはチコメコアトルがある。両者を一対として扱う資料も多い。
ショチピリ、および楽と遊戯の神マクイルショチトルとも近い関係にあり、若さ・花・穀物が一群をなす。八年ごとのアタマルクアリストリの祭では、トラソルテオトルとともに祈りの対象となった。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。