ティベリーヌス
ティベリヌス · 父なるテヴェレ · Tiberinus
テヴェレ川の神。棄てられたロームルスとレムスを救って牝狼に与え、レア・シルウィアを妻としたともいう。『アエネーイス』では夢に現れてアエネーアースにエウアンドロスとの同盟を勧めた。
解説
概要
ティベリーヌス(Tiberinus)は、ローマ神話の人物で、テヴェレ川の神である。オーケアノスとテーテュースの子である三千の河神に、テヴェレの守護霊として加えられた。
神話・物語
ウェルギリウス『アエネーイス』第8巻によれば、ティベリーヌスはトロイアからイタリアに着いたアエネーアースを助け、トゥルヌスとその同盟者との戦争においてエウアンドロスと同盟を結ぶよう勧めた。ティベリーヌスは夢のなかでアエネーアースに現れ、真の故郷に着いたと告げた。また水を鎮めて、アエネーアースの舟が無事に町に着けるようにした。
リウィウスによれば、テヴェレ川の最初の名はアルブラであり、ティベリーヌスはアルバ・ロンガの王の一人で、この川を渡ろうとして溺れ、川に自らの名を与えた。
ティベリーヌスは、双子ロームルスとレムスを見つけて牝狼に与えた河神としても知られる。一部の伝えでは、双子の母レア・シルウィアを救ってその夫とした。
図像と象徴
固有の古代の図像として、横たわる老人の姿のテヴェレ河神像が知られる。ただし本サイトは主画像を掲げない。
カピトリーノの丘のセナトリオ宮殿前には、ナイル像と対でテヴェレ像が置かれ、双子と牝狼を伴う。ルーヴル美術館のテヴェレ像も同じ型で、双子と牝狼、そして舵を伴う。
建国者を救う川という位置が、この神を規定する。テヴェレはローマの生命線であり、その神が建国者の双子を救い、建国者の祖アエネーアースを導く。ローマの起源が、この川と分かちがたく結びついている。
関わる神格・伝承
オーケアノスの子。ロームルスとレムスを救った。アエネーアースを導いた。レア・シルウィアの夫とする伝えがある。
ギリシアの河神——アケローオス、スカマンドロス——と同じく、都市の起源に関わる川の神である。
文化的足跡
ローマの詩人はテヴェレを「父なるテヴェレ」(パテル・ティベリーヌス)と呼び、その河神への祈りは公的な儀礼の一部であった。テヴェレ島の聖域、河神への年ごとの供物など、ローマの宗教においてテヴェレ河神は重要な位置を占めた。