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ナントスウェルタ
PLATE — NANTOSUELTA
CELTAE · ケルト神話
NANTOSUELTA

ナントスウェルタ

ナントスエルタ · ナントスヴェルタ · Nantosueltae

QuartierLatin1968 CC BY-SA 3.0

ガリアの女神。長い棒の先に載せた家形の標識を持ち、鴉を伴う姿で表される。多くは槌の神スケッロスと対で祀られ、家と豊かさをつかさどるとされた。

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解説

概要

ナントスウェルタ(Nantosuelta)は、ガリアで崇拝された女神である。古典の著述家は一人としてこの名を書き留めておらず、知られるのはガロ=ローマ期の碑文と浮彫からのみである。奉献はメディオマトリキ族の地(現在のロレーヌ地方)と、その隣人トレウェリ族・ネメテス族の領域に集中する。多くは槌の神スケッロスと対で現れるが、単独で祀られた例もある。

名はケルト語の合成語である。第一要素 nanto- はガリア語の「谷」で、転じて「流れ」を指し、ナントゥアテス(谷の者たち)のような地名にも広く現れる。第二要素 -suelta の解釈は割れている。クサヴィエ・ドラマールは印欧語根 swel-(太陽)の分詞形とみて全体を「日に温もる谷」と訳し、「曲がりくねる流れ」と解する読みも古くから行われてきた。ただし図像に水の性格はほとんど現れず、語義と図像が噛み合わない点は残されたままである。

神話・物語

物語は伝わらない。この女神について語りうるのは、碑文が示す名と分布、そして浮彫が示す持物に限られる。

名を刻む代表的な記念物は、1895年にサルブール(ローマ名ポンス・サラウィ)で見つかった祭壇である。DEO SVCELLO NANTOSVELTE に続けて奉献者ベッラウススの名が記され、下段の龕に二柱が並び立つ。ナントスウェルタは長衣をまとって髪を長く垂らし、片手で祭壇に献じ、もう一方の手に家形の標識を載せた長い棒を握る。傍らのスケッロスは短衣に長靴、開いた右手に小さな壺、左手に長柄の槌を持ち、足下に鴉が彫られている。

ガリアには男女一対で祀られる神々の組がいくつかあるが、そのうちボルウォダモナウクエティスベルグシア、そしてこの二柱は、どちらもローマの神名に置き換えられず土着の名を保った稀な例にあたる(インテルプレタティオ・ロマーナ)。こうした対では、女神の側が常に土着の名を保つ。

図像と象徴

この女神を他と分かつ標識は、長い棒の先に載せた小さな家形——あるいは社形——の造形である。ミランダ・オールドハウス=グリーンはこれを彼女の最も特徴的な記号とする。標識と、しばしばそこに添えられる鴉は、メディオマトリキ族とその隣人の領域にほぼ限られて現れる。

主画像はシュパイアー(ローマ名ノウィオマグス、ネメテス族の地)出土の浮彫で、長衣の女神が家形を載せた棒を掲げ、破風にあたる位置に放射冠の頭部が刻まれている。太陽との関わりを読む説はここに根拠を求める。モーゼル県テティングの彫刻では壺と同じ標識を伴い、ルクセンブルク周辺のトレウェリ族の地では、家形の社の内に坐して鴉を従える型の女神像が好まれた。

棒の先の造形が何を表すかについては、家、神殿や社の模型、家形の骨壺、蜂の巣と、読みが分かれている。サルブールの浮彫では、この造形が巣に見え、そこに鴉が止まり、女神の足もとに積まれた三つの塊が巣板とも読める。もし蜂の巣であれば、蜜と蜂蜜酒、ひいてはスケッロスの像に添えられる樽と結びつくことになる。

このほか、コルヌコピアや壺を持つ姿でも表される。いずれも豊かさの記号で、スケッロスに寄り添う女神像一般と共有する持物である。

系譜と関係

配偶神はスケッロスである。ヤン・ド・フリースは二柱が並ぶ記念物を十三点数え、ブルゴーニュと南ガリアに多いとした。ただし単独の作例が存在することから、この女神がスケッロスの女性版として作られたのではなく、独立した地位をもっていたと解されている。

家形の標識と壺・コルヌコピアからは、家と家庭の豊かさを守る女神という像が導かれる(豊穣神)。同じ記念物から冥界的な性格を読む立場もあり、ポール=マリー・デュヴァルは棒の先を家形の骨壺とみて、そうであれば死後の世界に関わる女神となり、槌の神の伴侶にもふさわしいと述べた。鴉もこの読みを支える記号として引かれる。二つの読みは同じ図像に依っており、決着はついていない。

ブリタンニアにこの女神の名は残らない。ノッティンガムシャーのイースト・ストークの浮彫を二柱の像とみる同定は確かでなく、アン・ロスはブリテン島に直接の証拠はないとした。ローマの女神との同一視も記録されていない。

文化的足跡

ナントスウェルタは、ローマの神名に呑まれず固有の名で祀られた大陸ケルトの女神として、エポナと並んで論じられてきた。名が残ったのは物語のおかげではなく、石に刻まれた数行の銘のおかげである。名と姿は残り、伝承は失われた——大陸ケルトの神々の多くが置かれた状態を、この女神ほど端的に示す例は少ない。作例はメスのクール・ドール博物館とシュパイアーのプファルツ歴史博物館に収まっている。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q1399263 — 骨格データの出典
Commons
Nantosuelta — 図像カテゴリ