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バンシー
PLATE — BEAN SÍDHE
CELTAE · ケルト神話
BEAN SÍDHE

バンシー

bean sí · ベン・シー · Bean Sidhe

W. H. Brooke, Croker『Fairy Legends and Traditions of the South of Ireland』(1834) PUBLIC DOMAIN

アイルランドの民間伝承の女の妖精で、名は「妖精の塚の女」の意。古いゲール系の家系に付き添い、一員の死が近づくと夜に甲高い嘆きの声をあげて告げる。髪を梳き、泣き腫らした赤い目で描かれる。スコットランドの浅瀬の洗濯女と近い。

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解説

概要

バンシー(アイルランド語 bean sí、古アイルランド語 ben síde)は、アイルランドの民間伝承に語られる女の妖精である。その名は「妖精の塚(シー)の女」を意味する。シーは、アイルランドの野に点在する古墳の塚である。バンシーは特定の古い家系に付き添い、その一員の死が近づくと、夜に甲高い嘆きの声をあげてそれを告げる。ケルト神話の体系に含めて扱う。

神話・伝承

バンシーの伝承は、1380年頃のショーン・マク・ルアズリ・マク・クラフ『トールデルバッハの凱旋』にまで遡るとされる。

バンシーが嘆くのは、もっぱら「純粋なミレー族の血統」の家であって、サクソンやノルマンの出の家ではないとする資料もある。バンシーと結びつく家名の多くは、ゲール系であることを示す「オ」や「マク」で始まる。オブライエン家(ウア・ブリアン)のバンシーであるアイベルは、ほかの二十五のバンシーを従えるという。例外として、ジェラルディン家や、楽人の庇護者であったチャールズ・バンワース師の死を告げた「バンワースのバンシー」がある。

その嘆きは、葬送の哀歌キーニング(caoineadh、「泣くこと」)に重ねられる。キーニングは、ときに職業の泣き女(bean chaointe)が担った葬儀の歌である。バンシーは髪を梳きながらでなければ嘆けないとする伝えもあり、レンスターの一部では、その声はガラスを砕くほど鋭いという。複数のバンシーが同時に現れるのは、偉大な者や聖なる者の死を告げるしるしとされる(イェイツ)。バンシーは死の馬車を呼ぶとも、それと連れ立つともいわれる。

図像と象徴

バンシーの姿は地方によって大きく異なる。長い髪を梳き、緑の衣の上に灰色の外套をまとい、泣き続けて目を赤く腫らした姿で描かれる。白い衣に赤い髪の青ざめた女とする記録もある。背は低く老婆であることが多いが、背の高い女ともされ、家の若く美しい娘の姿で歌うとも、木々の下で嘆く覆い布の女とも語られる。

本サイトが掲げるのは、クローカー『アイルランド南部の妖精伝説と伝承』(1825〜28年)に収められたW・H・ブルックの挿絵「バンワースのバンシー」である。

系譜と関係

スコットランドの「浅瀬の洗濯女」ベン・ニ(bean nighe)は、死にゆく者の血染めの衣や鎧を川の瀬で洗い、やはり死を予告する。首のない騎手デュラハンも、アイルランドで死を告げる存在として知られる。

文化的足跡

パトリシア・ライサットの『バンシー——アイルランドの死の使者』(1986年)は、この伝承の学術的な集成として知られる。英語の "banshee" は、甲高い叫び声のたとえにも用いられる。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q273112 — 骨格データの出典
Commons
Banshee — 図像カテゴリ