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レプラコーン
PLATE — LEIPREACHÁN
CELTAE · ケルト神話
LEIPREACHÁN

レプラコーン

lúchorpán · leipreachán · レプラホーン

Croker『Fairy Legends and Traditions of the South of Ireland』(1862) PUBLIC DOMAIN

アイルランドの民間伝承に語られる小柄な妖精。片方の靴を繕う職人で、隠した黄金の壺をもち、人に捕まると解放と引き換えに願いを叶えるという。

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解説

概要

レプラコーン(leprechaun)は、アイルランドの民間伝承に伝わる小柄な超自然的存在である。ケルトの英雄譚に大きく登場する神格ではなく、近世以降の民俗のなかで像を結んだ存在で、ひげを生やした小さな老人の姿で描かれる。単独で暮らす「孤独な妖精(solitary fairy)」に分類され、靴を繕う職人として、また虹の根もとに黄金の壺を隠しもつ者として知られる。

登場する物語

レプラコーンの名がさかのぼる最古の記録は、8世紀ごろに成立した中世アイルランドの物語『フェルグス・マク・レーティの冒険(Echtra Fergus mac Léti)』とされる。アルスターの王フェルグスが浜辺で眠るうち、三体のルホルパーン(lúchorpán)に海へ引きずり込まれそうになる。目覚めた王が彼らを捕らえると、解放と引き換えに三つの願いを叶えたという。捕らえた者に願いや富を差し出すというこの筋立ては、のちのレプラコーン譚の核となった。近世の伝承では、油断して人に捕らえられたレプラコーンが、黄金の在処を教えると偽って相手の注意をそらし、まんまと逃げおおせる話が繰り返し語られる。

図像と象徴

今日のレプラコーンは緑ずくめの装いで思い描かれるが、これは比較的新しい像である。19世紀の記録では、赤い上着に三角帽という装いが一般的であった。サミュエル・ラヴァーは1831年に、金モールで飾った赤い服をまとう伊達者として描いている。緑を基調とする現代的な姿は、20世紀のアメリカで聖パトリックの祝日と結び付いて広まったものである。片方の靴だけを繕う姿もしばしば描かれ、これは「片方の靴(leith bróg)」を語源とみる俗説とも呼応する。もっとも学術的には、その名は「小さな体」を意味する lú と corp に由来するとみるのが有力である。黄金の壺、三角帽、そして靴職人の道具立てが、この存在を一目で見分ける標識となっている。

関わる伝承

レプラコーンはしばしば妖精の一種と括られるが、塚や砦に群れ住むアオシー(aos sí、「善き人々」)とは区別される。単独で暮らすこと、そして悪さがいたずらの域を出ないことが、その分かれ目である。アオシーが子をさらうなど人に害をなす存在とされるのに対し、レプラコーンの害はより軽く、滑稽ですらある。同じアイルランドの伝承に連なるバンシーデュラハンが死や畏怖を告げる存在であるのに対し、レプラコーンは世俗的で人間くさい性格を担う。民俗学者のなかには、ゲルマンの小人(ドワーフ)や家に憑く精霊との比較のほうがふさわしいとする見方もある。

文化的足跡

レプラコーンが広く知られるようになった背景には、19世紀末のアイルランド文芸復興がある。W・B・イェイツらがアイルランドの民間伝承を書き留め、レプラコーンを「孤独な妖精」として紹介したことが、その名を世に広めた。20世紀以降は聖パトリックの祝日の意匠として商業的に用いられ、緑の帽子と黄金の壺のイメージが世界的に定着した。今日ではゲームやアニメにも小人型の存在として登場することがあるが、その原像は、アイルランドの土着の伝承のなかにある。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q244392 — 骨格データの出典
Commons
Leprechauns — 図像カテゴリ