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PLATE — AMAETHON FAB DÔN
CELTAE · ケルト神話
AMAETHON FAB DÔN

アマイソン

アマエソン · アマゾン · アマサオン

中世ウェールズ伝承の耕作の神。ドーンの子で、名は「偉大な耕す者」を意味する。木々の戦いの発端を作った。

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解説

概要

アマイソン(Amaethon fab Dôn、「ドーンの子アマイソン」)は、中世ウェールズの伝承に現れる耕作の神である。母神ドーンの子で、グウィディオンギルヴァイスウィ、金属工のゴヴァノンアリアンロッドの兄弟にあたる。系譜によっては、ベンディゲイドヴランの母ペナルズンとニーズも兄弟に数えられる。

名はケルト祖語の *Ambaxtonos に遡り、「偉大な従者」あるいは「偉大な耕す者」ほどの意になる。ガリア語のアンバクトス(従者、家士)に強意の接頭辞を添えた形である。ゴヴァノンの名が「鍛冶」そのものであるのと同じく、この名も職能を指す語がそのまま神の名になった型にあたる。

神話・物語

まとまった物語は伝わらない。この人物の行為として記録されているのは二つだけである。

一つは『キルッフオルウェン』に現れる。巨人イスバザデンがキルッフに課した数々の難題のうち、ある野を耕すという務めがあった。それを果たしうるのはこの人物だけだ、というのが難題の眼目である。同じ一連の務めのなかに、その鋤を研ぐのはゴヴァノンでなければならないという条件も含まれている。耕す者と刃を研ぐ者、二つの務めが兄弟に割り当てられ、片方だけでは成立しない形になっている。

もう一つは「木々の戦い(カド・ゴゼイ)」である。ペニアルス写本98bに収められた17世紀のウェールズ語詩によれば、彼が異界アンヌンの王アラウンから犬とタゲリと牡鹿を盗んだことが戦の発端となった。グウィディオンが魔法の杖で木々を戦士に変え、ドーンの子らはこれによって勝つ。敵将の名を言い当てなければ勝てないという条件があり、グウィディオンが盾に挿された榛の枝からそれを見破ったと伝えられる。

ただしこの散文の伝えは17世紀の写本に拠るもので、『タリエシンの書』に収められた同名の詩とは別の文書である。中世に遡る保証はない。同様に、彼が兄グウィディオンに魔術を教えたとするブリテンの三題詩の一条があるが、これはイオロ・モルガヌグが18世紀末から19世紀にかけて創作した偽の三題詩の一つであり、現代の研究者は中世の真正な資料として扱わない。

図像と象徴

図像は伝わらず、当サイトも主画像を掲げない。

この人物に結びつく標識は鋤である。『マビノギ四枝』第四枝が描くドーンの一族は、魔術の一族といってよい。杖で人を獣に変え、幻の艦隊を海に浮かべ、花から女を作り出す。そのなかでアマイソンとゴヴァノンの二人だけが、手仕事の側に置かれている。畑を耕すことと、その刃を研ぐこと。魔術で解けない務めがこの二人に割り当てられている点は、一族の描かれ方を考えるうえで見落とせない。

系譜と関係

母はドーン。兄弟にグウィディオン、ギルヴァイスウィ、ゴヴァノン、姉妹にアリアンロッド。

アイルランドに正確な対応する神はいない。トゥアハ・デ・ダナーンでは技芸の三神が武具の製作を分担するのに対し、ドーンの子らは耕作・鍛冶・魔術に分かれている。前者が戦の道具をめぐる分業であるのに対し、後者は生活の営みそのものを割った形になっている。

なお、彼がマビノギオン所収の『マビノギ四枝』本篇に登場することはない。第四枝はドーンの子として名を挙げるにとどまり、行為を語らない。この人物について知りうることは、他の物語が課す難題と、後代の詩が語る戦の発端に限られる。

文化的足跡

名の語根が、思わぬ形で今日まで残っている。ガリア語のアンバクトスはラテン語にアンバクトゥス(従士)として借用され、中世ラテン語のアンバクティア(任務)を経て、フランス語のアンバサード、英語のエンバシー(大使館)とアンバサダー(大使)になった。ドイツ語のアムト(官庁、職務)も同じ系統に属する。畑を耕す者を指したケルト語の語根が、外交使節を意味する語として近代ヨーロッパの語彙に生き延びたことになる。

もう一つの足跡は、資料批判の側にある。イオロ・モルガヌグの偽作した三題詩は、19世紀のケルト復興のなかで真正な中世資料として広く流通し、ウェールズの伝承像に長く影を落とした。この人物に帰された「グウィディオンに魔術を教えた」という一条は、その典型的な例として今も引き合いに出される。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q452389 — 骨格データの出典