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トゥ・マタウエンガ
PLATE — TŪMATAUENGA
OCEANIA · ポリネシア神話
TŪMATAUENGA

トゥ・マタウエンガ

トゥー · Tū · トゥーマタウエンガ

russellstreet CC BY-SA 2.0

マオリ神話の戦いの神。天空の父と大地の母の子で、人類の祖ともされる。兄弟のうち独り嵐の神に屈せず、狩猟・漁労・農耕という人の営みの由来を体現する。

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解説

概要

トゥ・マタウエンガ(Tūmatauenga、「怒りの顔のトゥー」の意)は、マオリ神話における戦いの神である。単に戦争のみならず、狩猟・漁労・農耕・料理といった人の営み全般を司り、人類そのものの祖ともされる。天空の父ランギヌイと大地の母パパトゥーアーヌクの子で、兄弟には森の神タネ、海の神タンガロア、嵐の神タウヒリマーテアらがいる。戦士や戦は彼に捧げられ、そのマナ(霊力)ゆえに畏敬をもって遇された。

神話・物語

トゥの物語は、天地創世の一幕に始まる。天空の父と大地の母がかたく抱き合い、その間の闇に閉じ込められた子らは、光と空間を求めて両親を引き離そうとした。このときトゥは、いっそ両親を殺してしまおうと唱えたが、森の神タネのより穏やかな案——両親を押し分けて引き離す——が容れられた。両親が分かたれると、ただ一人これに反対した嵐の神タウヒリマーテアが怒って兄弟たちを襲う。タネの森もタンガロアの海も嵐に打たれ、ロンゴハウミアは大地の母に匿われるなか、トゥだけは踏みとどまり、嵐に屈しなかった。戦いののち、トゥは兄弟たちが自分に加勢しなかったことを思い、彼らに報いる。タネの子である鳥を罠で捕らえ、タンガロアの子である魚を網で獲り、ロンゴとハウミアの司る作物と野の食物を地から掘り出した。こうして人は、しかるべき儀礼を経て鳥を狩り、魚を獲り、作物を育て、食物を採ることができるようになった——狩猟・漁労・農耕の由来である。ただ一人従わせられなかった嵐の神タウヒリマーテアだけは、今も嵐となって人を襲うと語られる。なお兄弟の数と顔ぶれはiwi(部族)によって異なり、地震の神ルアウモコを未生の末子に数える伝えもある。この筋書きの広く知られた形は、19世紀に総督ジョージ・グレイが集めた『ポリネシア神話』に負うところが大きい。

図像と象徴

トゥ・マタウエンガには、一定の姿や持物が定まっているわけではない。表されるときは、その名のとおり猛々しい相貌が強調される。木彫(ファカイロ)の像や、集会所マラエを飾る彫刻に、見開いた眼と突き出した舌——挑戦と威嚇の表情——として刻まれることが多い。武器や道具は、戦いと人の営みを司るこの神にふさわしい標識である。定まった図像の型をもたないこと自体が、姿よりも働きによって捉えられるこの神の性格を映している。

系譜と関係

トゥは、天地を分かたれる以前の原初の兄弟の一人であり、その関係は対立と支配によって特徴づけられる。とりわけ嵐の神タウヒリマーテアとの敵対は、人が自然の猛威と向き合い続けることの神話的な説明になっている。トゥに従えられた兄弟——タネ、タンガロア、ロンゴ、ハウミア——は、それぞれ森・海・栽培食物・野生食物の司として、人の暮らしの資源そのものとなった。汎ポリネシアの神々のなかで、トゥはハワイのクー、タヒチのトゥーなどと同源の名をもち、戦いの神という位置づけを共有する。

文化的足跡

トゥ・マタウエンガの名は、現代のニュージーランドに生きている。同国陸軍は1994年、マオリの女王らの祝福のもとに「ンガーティ・トゥマタウエンガ(戦神の部族)」の名を与えられ、独自の軍マラエと軍隊ハカ「トゥ・タウア・ア・トゥマタウエンガ」をもつ。伝統のうえでも、集会所の門前の広場マラエ・アテアは弁論と対峙の場としてトゥの領分とされ、内部が平和の神ロンゴに結びつけられるのと対をなす。戦いと人の営みを一身に負うこの神は、マオリ文化のなかで今も確かな位置を占めている。

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領分・別名

INTERPRETATIO — 同一視・同源
クー ポリネシア神話 同源
マオリ語 Tū とハワイ語 Kū は同源(ポリネシア祖語 *Tuu)。いずれも戦の神。

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承点線=異伝・別系統

Rangi
パパ
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資料

Wikidata
Q1507592 — 骨格データの出典
Commons
Tūmatauenga — 図像カテゴリ