クー
クー (ハワイ神話) · クーカーイリモク · Kū
ハワイ四大神の一柱で戦・政治・農耕・漁の神。クーカーイリモク(土地を奪う者)の相では人身供犠を受けた唯一の神である。カメハメハ1世がハワイ統一の守護神として奉じた。
解説
概要
クー(Kū)は、ハワイの宗教における四大神の一柱である。他の三柱はカナロア、カーネ、ロノ。
羽毛の神像(キイ、アクア・フル・マヌ)のいくつかはクーを表すとされる。多くの名で崇拝され、なかでもクーカーイリモク——「土地を奪う者」——が名高い。クーカーイリモクの儀礼には人身供犠が含まれ、これは他の神の崇拝にはないものであった。
信仰
ハワイの神の観念に固有の多重性により、クーは従属的な顕現を指す多くの名で呼ばれる。森と雨のクー(クー・モク・ハリイ「土地に広がるクー」、クー・カ・オヒア・ラカ「オヒア・レフアの木のクー」)、農耕と漁のクー(クー・ウラ「海の豊かさのクー」)、戦のクー(クー・ヌイ・アーケア「至高のクー」、クー・カーイリモク)、呪術のクー(クー・ワハ・イロ「蛆を落とす口のクー」)などである。
戦、政治、農耕、漁の神とされる。女神ヒナの夫であり、クーとヒナは男と女の原理の対として、太陽の昇りと沈み、東と西、右と左に対応する。
一年のうち八か月、ルアキニ(神殿)はクーに捧げられ、厳格なカプ(禁忌)が課された。残る四か月はロノのマカヒキ祭の期間であり、戦と不要な労働が禁じられた。
図像と象徴
本サイトが掲げるのは、18世紀の羽毛の神像クーカーイリモクである。籐の骨組みに赤と黄の鳥の羽毛を貼り、真珠貝の眼と犬の歯を持つ。カメハメハ1世がハワイ統一に際して奉じた戦の神像として知られる。
クーカーイリモクの像は現存が数体にとどまり、大英博物館、ビショップ博物館、ピーボディ・エセックス博物館などに収められる。歯を剥いた口と、突き出た眼が、この神の戦の相を示している。
関わる神格・伝承
妻はヒナ。カーネ、カナロア、ロノとともに四大神をなす。
マオリのトゥーマタウエンガと同源とされる。戦の神という性格が両者に共通する。
文化的足跡
カメハメハ1世は、クーカーイリモクを自らの守護神として掲げ、1795年までにハワイ諸島を統一した。1819年、その子リホリホがカプ制度を廃止し、伝統宗教は公的には終焉した。
2010年、ビショップ博物館、大英博物館、ピーボディ・エセックス博物館の三体のクー像が、ホノルルで初めて一堂に展示された。
なおハワイの伝統信仰は、今日も一部で継承されている。