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プイス
PLATE — PWYLL
CELTAE · ケルト神話
PWYLL

プイス

プウィル · プゥィル · プイル

T. Williams(木口木版)/『マビノギオン』シャーロット・ゲスト訳 PUBLIC DOMAIN

中世ウェールズ『マビノギ四枝』第一枝の主人公。ダヴェドの大公。異界アンヌンの王アラウンと一年入れ替わって統治し、リアンノンを妻に迎えた。

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解説

概要

プイス(Pwyll)は、中世ウェールズの物語集マビノギオンに収められた『マビノギ四枝』第一枝の主人公である。ウェールズ南西部ダヴェドの大公であり、リアンノンの夫、プリデリの父にあたる。異界アンヌンの統治を代行した功により「アンヌンの頭(プイス・ペン・アンヌン)」と呼ばれた。アーサー王物語の系統に属する『キルッフオルウェン』にも、宮廷の一員として名だけが現れる。

名はウェールズ語で「思慮」「分別」を意味する。ところが物語のなかの彼は、中身を確かめずに約束し、そのために妻を失いかける。名と行いのこの食い違いは、語り手が意識して置いたものと読まれてきた。

神話・物語

第一枝は狩の場面から始まる。グリン・キーフで供の者とはぐれたプイスは、見知らぬ猟犬の群れが牡鹿を仕留めているところに出くわす。犬を追い払って自分の犬に獲物を食わせたため、その主であるアンヌンの王アラウンの怒りを買った。償いとして両者は姿を取り替え、一年と一日、互いの国を治めることになる。期限の日、プイスはアラウンの敵ハヴガンと一騎打ちに臨み、一撃で致命傷を与えた。とどめの二撃目を求められても、これを拒む——二度打てば相手は蘇るからである。こうしてアラウンはアンヌン全土の支配権を得た。一年のあいだ、プイスはアラウンの姿でその妃と同じ床に就きながら、指一本触れなかった。この節度ゆえに二人は変わらぬ友となる。

やがてプイスは、宮廷近くの塚ゴルセズ・アルベルスに登る。この塚に坐した者は不思議を見るか打撃を受けるかのいずれかだという。現れたのが白馬に乗るリアンノンで、彼女は婚約者グワウル・アプ・クルドを退けてプイスを選ぶ。ところが婚礼の宴で、プイスは中身も聞かずに願いを聞き入れると口約束し、正体を現したグワウルにリアンノンそのものを求められてしまう。妻となるはずの女に策を授けられ、一年後、乞食の姿で現れて満たされぬ魔法の袋にグワウルを閉じ込め、これを打ちすえてようやく約束を解いた。

子が生まれると、その夜のうちに姿を消す。侍女たちの偽証によってリアンノンは我が子を殺したとされ、貴族たちは離縁を勧めたが、プイスはこれを退けて贖罪の務めを課すにとどめた。子は七年ののち、グウェント・イス・コイドの領主テイルノンの手で連れ戻され、プリデリと名づけられる。物語はプイスの死とプリデリの即位で閉じられる。

図像と象徴

写本に挿絵はなく、古い図像も伝わらない。この人物の姿は、19世紀以降の翻訳につけられた挿絵によって形づくられた。主画像はゲスト訳『マビノギオン』の木口木版で、猟犬を追って牡鹿に迫る場面を描く。

物語のなかで象徴として働くのは、道具ではなく状況である。異界の犬は、輝くように白い毛と赤い耳をもつ。ウェールズとアイルランドの伝承で、白と赤の取り合わせは異界のしるしにほかならない。一年と一日という期限、同じ場所での再会、姿の取り替え、けっして満たされない袋——第一枝は、こうした対称と反復で組み立てられている。ゴルセズ・アルベルスの塚は、坐す者に不思議か打撃かを与える境界の場であり、物語の転機は二度ともこの塚の上で起こる。

系譜と関係

妻はヒヴァイズ・ヘンの娘リアンノン、子はプリデリ。友となったのはアンヌンの王アラウンであり、その縁は次の世代にも続いて、アラウンは後にプリデリへ異界の豚を贈る。敵はグワウル・アプ・クルドで、その恥辱への復讐が第三枝でダヴェド全土を襲う災いの動機となる。第一枝の出来事は、四枝すべてに尾を引く。

文化的足跡

第一枝の骨組み——貴人どうしの儀礼化された競い、一年後の再会の約束、姿の取り替え——は、アイルランドの『ブリクリウの饗宴』と共通する主題であり、そこから『サー・ガウェインと緑の騎士』の詩人に及んだとされる。ジャン・マルカルは、プイスを聖杯伝説の漁夫王の原型とみる説を唱えた。いずれも中世文学の系統をめぐる議論であり、確定した結論ではない。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q739201 — 骨格データの出典