テオニム THEONYM · 世界神話アーカイブ 神格を検索
ポリュネイケース
PLATE — ΠΟΛΥΝΕΊΚΗΣ
HELLAS · ギリシア神話
ΠΟΛΥΝΕΊΚΗΣ

ポリュネイケース

ポリュネイケス · Polyneikes · Polynices

Francesco Bini CC BY-SA 4.0

オイディプースの子でテーバイの王子。弟エテオクレースに王位を渡されず、アルゴス勢を率いて故国を攻め、弟と相討ちになった。

01

解説

概要

ポリュネイケース(Πολυνείκης / Polyneikēs)は、テーバイ王オイディプースイオカステーの子である。名は「多くの争いを引き起こす者」と解され、アイスキュロス『テーバイ攻めの七将』は、弟エテオクレース(「真の名誉を持つ者」)との名の対比を明示的に使っている。

彼の立場は最後まで宙に浮いたままである。約束を破られた側でありながら、他国の軍を率いて祖国を攻める者でもある。この二重性が、埋葬をめぐる争いにまで持ち越される。

神話・物語

父が出自を知って追放されたとき、兄弟は父を庇わなかった。オイディプースは二人に、剣によって互いの取り分を奪い合えと呪いをかける。

兄弟は一年交代で統治する取り決めを結んだ。だが順番が回ってきても弟は王権を渡さず、彼はテーバイを追われる。持ち出したのはハルモニアーの首飾りと婚礼の衣であった。

アルゴスの王宮でテューデウスと争っていたところをアドラーストスに引き分けられ、娘アルゲイアーを与えられる。遠征の召集にあたり、予言者アムピアラーオスの参戦を得るため、彼はその妻エリピューレーに首飾りを贈った。テーバイの呪物が、そのままアルゴスの家を破壊する道具になる。

ソポクレース『コローノスのオイディプース』では、味方についた側が勝つという予言を聞いて父のもとを訪れるが、拒まれ、重ねて呪われる。ネメアーの競技祭では相撲に勝った。

テーバイではヒュプシスタイ門を攻め、両軍の合意のうえで弟と一騎討ちして相討ちとなった。叔父クレオーンは彼の埋葬を禁じ、それを破った妹アンティゴネーが死に追い込まれる。彼自身は死んだあとに何もしていないが、死体であることによって物語をもう一段動かす。

図像と象徴

古代美術で彼が現れるのは二つの場面である。エリピューレーに首飾りを差し出す場面と、弟との相討ちである。前者はアッティカの赤絵式壺に、後者はとりわけエトルリアで好まれた。

本ページの主画像は、前3世紀のエトルリアの骨壺(キウーシ国立考古学博物館)で、剣を交える兄弟の相討ちを浮彫にする。エトルリアの骨壺はこの主題を繰り返し取り上げており、兄弟殺しという主題が墓の装飾として選ばれ続けたことがわかる。

系譜と関係

父オイディプース、母イオカステー。母をヒュペルパースの娘エウリュガネイアとする説もある。兄弟姉妹はエテオクレース、アンティゴネー、イスメーネー。妻はアドラーストスの娘アルゲイアー、子はテルサンドロス。

テルサンドロスはエピゴノイの一人としてテーバイを落とし、その際やはりエリピューレーをハルモニアーの衣で買収する。父と子が同じ手口で同じ女を動かしている。

文化的足跡

「ポリュネイケースの埋葬」は、国法と血縁の義務の衝突を語るときの原型として、古代から現代まで参照され続けてきた。ヘーゲル以降の議論が対象としてきたのはアンティゴネーの側だが、争点となる遺体は最後まで彼のものである。

02

領分・別名

03

資料

Wikidata
Q334817 — 骨格データの出典
Commons
Polynices — 図像カテゴリ