ポリュメーレー
ポリュメーラー · ポリュメレ · Polymele
ギリシア神話の女性の名。イアーソーンの母(ポリュメーデーの異形)、ペーレウスの娘でパトロクロスの母、テストールの妻でカルカースの母など五人が知られる。
解説
概要
ポリュメーレー(ポリュメーラーとも)は、ギリシア神話に現れる、何人もの女性の名である。主に五人が知られ、英雄イアーソーンの母、パトロクロスの母、予言者カルカースの母などとされる。イアーソーンの母の名は、伝承によってポリュメーレー、ポリュメーデー、アルキメデーと揺れている。本項では、同じ名を持つ女性たちをまとめて整理する。
なお本サイトの分類では、ギリシア神話の体系に含めて扱う。
同じ名の女性たち
アウトリュコスの娘のポリュメーレーは、ヘーシオドスの『女たちのカタログ』によれば、イオールコスの王アイソーンとのあいだにイアーソーンを産んだ。ただし、レーロスのペレキューデースはイアーソーンの母をアルキメデーとし、アポロドーロスはポリュメーデーの名を挙げている。名がよく似ていることから、同じ人物の名の揺れとみるのが自然である。
プティーアーの王ペーレウスの娘のポリュメーレーは、アクトールの子メノイティオスと結婚し、パトロクロスの母となったとされる。アポロドーロスは、この説をピロクラテースによるものとしている。パトロクロスの母については、ステネレーやペリオーピスとする説もある。この系譜に従えば、パトロクロスはペーレウスの孫にあたり、アキレウスの甥ということになる。二人の親しさを、血のつながりによって説明する系譜である。
テストールの妻のポリュメーレーは、予言者カルカースの母とする伝えがある。プティーアーの人ピューラースの娘のポリュメーレーは、ヘルメースとのあいだにエウドーロスを産んだ。エウドーロスは、『イーリアス』第16巻で、アキレウスの率いるミュルミドーンの軍の隊長の一人として登場する。風の主アイオロスの娘のポリュメーレーは、オデュッセウスがアイオリアーの島に滞在したとき、彼と恋に落ちたという。オデュッセウスが去ったのち、父は娘を罰しようとしたが、兄弟のディオレースが彼女を妻とした。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
関わる神格・伝承
イアーソーン、パトロクロス、カルカースの母とされる女性たちを含む。
文化的足跡
日本語でこの名が挙げられることは、まずない。パトロクロスの母の候補の一人として、系譜に現れる程度である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。