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パトロクロス
PLATE — ΠΆΤΡΟΚΛΟΣ
HELLAS · ギリシア神話
ΠΆΤΡΟΚΛΟΣ

パトロクロス

パトロクルス · パトロクロス · Patroklos

ArchaiOptix CC BY-SA 4.0

アキレウスの親友。友の武具を借りて出撃しヘクトールに討たれ、その死がアキレウスを戦場へ戻して『イーリアス』の筋を転換させる。

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解説

概要

パトロクロス(Πάτροκλος / Patroklos)は、メノイティオスの子で、アキレウスの親友である。名は「父の栄光」を意味する。

イーリアス』において、彼の死は物語の折り返し点である。総大将への怒りから戦線を離れていたアキレウスが、友の死によって怒りの向きを敵へ変え、自らの短い死を引き受けて戦場へ戻る。叙事詩の主人公を動かす原因が、主人公ではなくこの人物の死に置かれているという構成になっている。

神話・物語

少年のころ、サイコロ遊びの喧嘩から誤ってクレイトーニュモスを殺したため、父とともにオプースを離れ、ペーレウスのもとに引き取られた。そこで年少のアキレウスと親交を結ぶ。彼はアキレウスより年長であり、父から「よい忠告役となれ」と命じられて出征している。年長で慎重な側が先に死ぬという配置が、この二人の関係を規定している。

ヘレネーの求婚者の一人として誓いを立てており、トロイア戦争にはその義務としてではなく、アキレウスに従って出征した。

『イーリアス』第16巻が彼の巻である。ギリシア勢の敗走と船への放火を見かねた彼は、涙を流してアキレウスに出陣を乞う。アキレウスは自らの武具を貸し、ミュルミドーン勢を率いさせたうえで、船を救ったら引き返せ、アポローンに気をつけよと言い渡した。武具を見たトロイア勢はアキレウスの復帰と誤認して動揺し、彼は船から敵を追い払って火を消す。勢いに乗って追撃し、ゼウスの子サルペードーンを槍で倒した。ヒュプノスとタナトスがその遺体を運ぶ、あのサルペードーンである。

しかし彼は引き返さなかった。四度城壁に足をかけ、四度目にアポローンが背後から素手で打つ。兜が落ち、槍が砕け、盾と鎧が地に落ちたところをエウポルボスの投槍が傷つけ、続いてヘクトールの槍が下腹を貫いた。神が武装を解き、二人の人間が仕上げるという殺害の手順は、『イーリアス』でも例のない書き方である。

遺体をめぐって激戦になり、メネラーオスが仇のエウポルボスを討ち、大アイアースの奮戦とアテーナーの助けによってギリシア勢が守り切った。訃報を聞いたアキレウスは叫びをあげ、母テティスヘーパイストスに新しい武具を作らせ、彼はアガメムノーンと和解して戦場へ戻る。

第23巻、枕元に立った彼の亡霊は、早く火葬にして遺骨をアキレウスと同じ場所に納めてほしいと乞う。翌日の火葬に続いて執り行われた葬礼競技——戦車競走、拳闘、格闘、徒競走、槍試合、鉄塊投げ、弓——は、ギリシア文学における競技祭の最も古い詳細な記述であり、のちの祝勝歌や競技記録の型をなした。

のちにアキレウスも倒れると、将たちは二人の遺骨を混ぜて白島に葬ったと伝えられる。

図像と象徴

古代美術が繰り返し描いたのは、遺体をめぐる戦いである。本ページの主画像は前6世紀後半のアッティカ黒絵式カリュクス・クラーテール(エクセキアスの流派、アテネ国立考古学博物館 26746)で、その場面を描く。倒れた者を挟んで両軍が相対するという構図は、前6世紀から前5世紀にかけて陶画の定型となった。

もう一つの主題が手当ての場面である。前500年頃のソシアスの銘のあるキュリクス(ベルリン古代美術館 F2278)は、矢傷を受けた彼の腕にアキレウスが包帯を巻く姿を銘つきで描く。既存のアキレウスの項に掲げたこの作例は、二人の関係を示す図像として最もよく知られている。

エトルリアのウルチのフランソワ墓では、アキレウスが彼の亡霊の前でトロイア人の捕虜を屠る場面が壁画に描かれた。ギリシアの陶画がほとんど扱わなかった主題であり、葬礼における人身供犠という筋がエトルリアで選ばれたことを示す。

系譜と関係

父メノイティオス、母はステネレー、ペリオーピス、あるいはペーレウスの娘ポリュメーレーとも伝えられる。母をペーレウスの娘とする版では、彼とアキレウスは血縁になる。

アキレウスとの関係は、古代からその性格が論じられてきた。ホメーロスは友愛(ヘタイロス)としか記さないが、前5世紀のアイスキュロス『ミュルミドーン人』(散逸)以降、恋愛関係として解する読みが現れ、プラトン『饗宴』でも言及される。ホメーロスのテクストに恋愛の明示がないこと自体は、押さえておくべき点である。

文化的足跡

彼の葬礼競技は、実際の競技祭の由来譚として引かれ続けた。ギリシアの四大祭のうちネメアー祭とイストミア大祭がいずれも死者を悼む競技として語られるのと同じ型に属する。

近代では、二人の関係を主題化する作品が続いている。マデリン・ミラー『アキレウスの歌』(2011年)はこの視点から『イーリアス』を語り直したもので、既存のキルケーの項に挙げた同じ作者の小説と対をなす。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q186271 — 骨格データの出典
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