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オシュン
PLATE — ỌṢUN
AFRICA · アフリカ神話
ỌṢUN

オシュン

オスン · オチュン · オシュム

Wikipedia Loves Art participant "Department_of_Trife" CC BY-SA 2.5

ヨルバ宗教の川の女神。オシュン川を司り、愛と美、豊穣と富をもたらす。イファの伝えでは、若い大地を整えるべく遣わされた十七柱の原初神のうち、ただ一人の女性であったと語られる。

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解説

概要

オシュン(ヨルバ語 Ọṣun)は、西アフリカのヨルバ人が奉じる川の女神で、オリシャの一柱である。ナイジェリア南西部を流れるオシュン川を領分とする淡水の水神・海神であり、愛と美を司る愛と美の神、子を授ける豊穣神、病を癒す医薬・治癒の神、黄金と繁栄をもたらす富と幸運の神でもある。水の母性を代表するイエマンジャに対し、オシュンは蜜と香と装身具——すなわち甘さ——をもって働きかける神格として語られる。信者はその名を呼ぶとき「オレ・イェイェ・オ」(恵み深き母よ、の意)と唱える。

神話・物語

イファの詩句のうち、オセ・トゥラ(Ọ̀ṣẹ́ Òtúrá)と呼ばれる一篇が、この女神の位置を最もよく示す。至高神オロドゥマレは、若い大地を人の住める場所に整えるべく十七柱の原初神(イルンモレ)を遣わした。そのうち女性はオシュンただ一人で、他の十六柱は彼女を軽んじ、相談にも加えなかった。結果、築いたものは崩れ、雨は降らず、病が広がった。天へ戻った十六柱にオロドゥマレは「オシュンを加えたか」と問い、詫びてすべての供犠に招くよう命じたという。和解ののちオシュンが産んだ男子はオセトゥラと名づけられ、以後、人が供犠を行うたび最後にその名が唱えられてから、供物がエシュのもとへ渡ると語られる(ワンデ・アビンボラの採録による)。

十六の子安貝を用いる占い(エーリンディンログン)の由来も、この女神に結びつく。ウィリアム・バスコムが記録した伝えでは、オシュンはオルンミラのもとで占いを学んだが、彼の留守に客を占ったため追われ、修行を終えなかった。一方、彼女こそがこの占法の所有者であり、その力をオロドゥマレから直に授かったとする伝えもあって、オシュンの祭司たちは前者を認めない。旱魃の地上のために孔雀の姿で天へ飛び、灼かれて禿鷹となりながら雨を乞うたという物語も広く語られ、この二羽が彼女の聖鳥とされる由来になっている。

図像と象徴

オシュンを象徴するのは黄色と、真鍮・銅といった黄金色の金属である。ブラジルでは「黄金の貴婦人」と呼ばれるが、その位置にもとあったのは、当時最も価値のあった銅であった。持物は真鍮の団扇アベベ、鏡、櫛。水面に自らを映す所作は虚栄ではなく、己を知る力として読まれる。イファの詩句が彼女を「珊瑚玉で飾った櫛の持ち主」と呼ぶのは、この装身の徳を指す。供物は蜂蜜と淡水である。

ヨルバの木彫において、オシュンは単独の神像としてよりも、信者の姿を通して表される。本項の図版は20世紀初頭のヨルバの彫刻で、跪いて捧げ物をするオシュンの信女を刻む。跪座は敬意と祈願の姿勢であり、神そのものではなく神の前に立つ人間を彫るのが、この伝統の作法である。祭祀では祭司も巫女も白衣をまとい、髪を入信者の伝統的な形に結う。

系譜と関係

系譜は伝承ごとに大きく異なる。占いの神オルンミラの妻とする伝えがあり、この結びつきがオシュンと卜占の関係を支えている。オヨ王シャンゴの妻の一人に数える伝えも広く、その場合はオバ、オヤと三柱で並ぶ。河川の女神たちを束ねる長をイエマンジャとする伝えでは、オシュンはその配下に置かれる。いずれの系図も一本には固定できない。

新大陸では習合が進んだ。キューバのサンテリアではオチュン(Ochún)として、島の守護聖母である愛徳の聖母(コブレの聖母)と重ねられ、ブラジルのカンドンブレではオシュン(Oxum)として淡水と胎児を守り、身ごもった女たちの祈りを受ける。

文化的足跡

信仰の中心地は、ナイジェリア・オショグボの町を流れるオシュン川のほとりにある聖なる木立である。伝承によれば、旱魃を逃れて移り住んだ猟師オルティメヒンと王オバ・ララオイェの一行が、木を倒して川の女神の染め壺を壊してしまい、詫びて結んだ盟約がこの町の始まりであった。毎年8月、その盟約を更新する二週間の祭が営まれ、王家から選ばれた「アルグバ(瓢箪を担ぐ者)」が共同体の供物を頭に載せ、一言も発さずに宮殿から聖所まで歩く。

20世紀半ば、この木立の祭祀は衰えかけていた。再興を担ったのはオーストリア出身の美術家ズザンネ・ヴェンガーと現地の職人たちで、彼らの手がけた社と彫刻群が今日見る景観をかたちづくっている。木立は2005年、ユネスコの世界遺産に登録された。アフリカ神話の神格のうち、これほど具体的な場所と年中行事をともなって今日まで続く例は多くない。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q1851943 — 骨格データの出典
Commons
Oxum — 図像カテゴリ