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ミーミル
PLATE — MÍMIR
NORÐR · 北欧神話
MÍMIR

ミーミル

ミーミ · ミーム · ミミル

Georg Pauli PUBLIC DOMAIN

北欧神話の知恵の存在。アース神族とヴァン神族の和睦の人質として送られた先で首を刎ねられ、その首をオーディンが呪で保たせて助言を受け続けた。

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解説

概要

ミーミル(Mímir)は、北欧神話において知恵と知識で名を知られた存在である。アース・ヴァン戦争の人質として送られた先で首を刎ねられ、以後はその首だけがオーディンに助言を与え続ける。ユグドラシルの根もとの泉ミーミスブルン、そして世界樹の別名ミーマメイズとホッドミーミルの森は、いずれもその名を含む。

名の解釈は難しい。言語学者のあいだで最も広く受け入れられているのは、印欧祖語の動詞 *(s)mer-(思う、想起する、思い煩う)の重複形に遡るという説である。サンスクリットの smárati、アヴェスター語の hi-šmaraiti、古代ギリシア語の mermaírō、ゴート語の maúrnan と連なる語であり、英語の memory と語源を同じくする。ルドルフ・ジメクはこの名を「記憶する者、賢き者」と訳す。

神話・物語

『巫女の予言』は二つの節で彼に触れる。第28節はオーディンが片眼をミーミルの泉に捧げたことを語り、ミーミルは「戦死者の父の質草」から毎朝蜜酒を飲むと述べる。オーディンの眼が泉のなかにあり、その眼で毎朝飲む——知恵を得るために何を差し出したのかを、これ以上ないほど即物的に語る一節である。第46節はラグナロクに触れ、「ミームの子ら」が戯れ、ヘイムダルギャッラルホルンを吹き鳴らし、ミーミルの首がオーディンに助言すると語る。この「子ら」については、ほかに何も伝わらない。

散文のエッダ』の『ギュルヴィたぶらかし』第15章は、泉の持ち主としての彼を描く。彼自身がその泉から飲み、大いなる知恵を得ている。飲むのに用いるのはギャッラルホルンで、これはヘイムダルがラグナロクの到来を告げる角笛と同じ名である。泉は世界樹の三つの根のうち一つの下、霜の巨人の国にある。

第51章では、ラグナロクの始まりとともにヘイムダルが力の限り角笛を吹き、神々が集会を開く。オーディンはミーミルの泉へ馬を走らせ、自分と一族のために助言を求める。トネリコの世界樹は震え、天にも地にも恐れぬものはない。

首の由来を語るのは『ヘイムスクリングラ』の『ユングリング家のサガ』である。スノッリは戦争を人間の歴史として語り直す。双方は戦いに倦み、和睦のために人質を交換した。ヴァン側は富めるニョルズとその子フレイを、アース側は大柄で見目のよいヘーニルと、深い理解の人ミーミルを送る。

ヴァナヘイムに着くと、ヘーニルはただちに首長に立てられた。ミーミルが傍らにいるあいだ、その助言はつねに的確である。しかし集会や民会にミーミルがいないとき、ヘーニルはいつも同じことしか言わなかった——「ほかの者に決めさせよ」。

騙されたと考えたヴァン神族はミーミルを捕らえ、首を刎ね、その首をアースガルズへ送りつけた。オーディンは首を薬草で腐らぬようにし、呪を唱えて言葉を語る力を与える。以後、首は他の世界の事どもを彼に明かした。

助言者を奪えばその者は無力になる——ヴァン神族はそう見抜いたが、首だけになっても助言は続いた。知恵が身体から切り離しうるものとして扱われている点に、この神話の独特さがある。

図像と象徴

異教期の造形は知られていない。彼を表すのは、切り離された首と泉という二つの形象である。どちらも容れ物であって、知恵はそこに湛えられている。オーディンは片眼をその泉に沈め、首を持ち歩いた。この神の知恵はつねに他者から借り受けたものであり、しかも代価が伴う。

本サイトが掲げるのはゲオルグ・パウリの《ミームの遺骸のかたわらのオーディン》で、エリク・ブラーテによるスウェーデン語訳『古エッダ』の挿絵である。首を失った体のかたわらに立つオーディンを描く。近代の挿絵がこの主題を選んだこと自体、首の切断がこの存在の要であることを示している。

系譜と関係

系譜はほとんど伝わらない。『ハーヴァマール』第140節に、オーディンが母ベストラの、名を伝えぬ兄弟から九つの呪歌を学ぶという記述がある。ここからこの兄弟をミーミルとみて、彼をオーディンの母方の叔父とする説が唱えられてきた。その場合、ミーミルの父は巨人ベルソルンということになる。ただし文献はこれを明示しない。

『詩語法』では彼の名がケニングに現れる。オーディンを指す「ミームの友」、巨人を指す「災いのミーミル」。巨人の名の一覧にも含まれており、この存在をアース神族に数えるか巨人に数えるかは、資料そのものが揺れている。

ヴィクトル・リュードベリは、『フィヨルスヴィズの言葉』に名の出るシンマラをミーミルの妻とした。19世紀の体系的な再構成の産物であり、今日そのまま採られることはない。

文化的足跡

ミーミルの泉は、知恵に代価が伴うという主題の代表例として繰り返し引かれてきた。オーディンが片眼を捧げる話は、世界樹に九夜吊るされてルーンを得る話と並び、この神の性格を決める二つの逸話である。どちらも、知は与えられるのではなく買うものだという理解を示している。

ノルウェー語やスウェーデン語には、この名を含む地名・人名が残る。現代では、ゲーム作品に登場する饒舌な生首として広く知られるようになった。原典の首はほとんど何も語らず、語ったとされる内容も伝わっていない。

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領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承点線=異伝・別系統

MÍMIR
ミーミル
北欧神話
シンモラ
配偶者
収載データなし
MÍMIR
ミーミル
北欧神話
シンモラ
配偶者
収載データなし
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資料

Wikidata
Q336496 — 骨格データの出典
Commons
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