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ルシファー
PLATE — LUCIFER
ABRAHAMICA · 一神教の伝承
LUCIFER

ルシファー

ルシファー · ルキフェル · ヘーレール

アレクサンドル・カバネル《堕天使》(1847年) PUBLIC DOMAIN

傲慢の罪と結びつく堕天使。その名は『イザヤ書』のバビロン王への嘲りの句「暁の子ヘーレール」に、ヒエロニュムスが金星を指す普通名詞 lucifer を当てたことに由来する。カナンの暁の神シャハルに遡り、誤訳と教父の解釈を経て人格を得た。

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解説

概要

ルシファーは、キリスト教神学において堕天使であり悪魔であると信じられている。

ルシファーは傲慢の罪と結びつけられ、神を簒奪しようとして地に落とされたとされる。

至高神を倒そうとする堕天使という観念は、カナンの宗教におけるアタルバアルの玉座に取って代わろうとする試みと並行する。その役を満たせないと知って、アタルは——

本項は、この名がどのように成立したかを主題とする。

名の変遷

ルシファーの名は、四つの段階を経て成立した。

第一段階:カナンの神

『イザヤ書』14章12節の元の語は、「ヘーレール・ベン・シャハル」——「暁の子、輝ける者」である。

シャハル シャハルはウガリットの暁の神であり、エールの子である。

カナンの神話の反映。 金星が空高く昇りながら太陽に消される現象を、天への僭上とその失敗として語る神話があったとみられる。

アタルとの並行。 ウガリットの『バアル神話』において、アタル(金星)がバアルの玉座に座ろうとして足が届かず降りる。同じ主題である。

第二段階:バビロン王への嘲り

『イザヤ書』14章は、バビロンの王への風刺の詩である。

「暁の子、輝ける者よ、いかにして天から落ちたのか」

王への嘲り。 傲慢な王が失墜したことを、天体の比喩で嘲る詩である。

悪魔の話ではない。 この文脈に、堕天使は現れない。

第三段階:ラテン語訳

4世紀、ヒエロニュムスがラテン語訳(ウルガタ)において、「ヘーレール」を lucifer と訳した。

普通名詞。 ラテン語の lucifer は「光をもたらす者」を意味し、金星(明けの明星)を指す普通名詞である。

固有名詞化。 これが固有名詞と解されるようになった。

第四段階:教父の解釈

教父たちが、この一節を悪魔の堕落の記述と解した。

オリゲネス、テルトゥリアヌス。 ルカ福音書10章18節「私はサタンが稲妻のように天から落ちるのを見た」と結びつけた。

サタンとの同一視。 以後、ルシファーはサタンの別名となった。

誤訳が神を生む

カナンの神→詩の比喩→誤訳→固有名詞→堕天使。 一つの語が、四つの段階を経て人格を得た。

同じ構造は、ベルゼブブ(バアル・ゼブル)、アスタロト(アスタルト)、ベリアルにも見られる。外来の神格が悪魔に変えられるという型である。

ただしルシファーの場合、変えられたのは神ではなくである。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、アレクサンドル・カバネル《堕天使》(1847年)である。

ミルトン。 『失楽園』(1667年)が、堂々たる反逆者としてのルシファー像を完成させた。

ロマン主義。 バイロン、シェリー、ボードレールが、この人物を反逆と自由の象徴として扱った。

「悪魔的」の逆転。 神への反逆が、人間の自律の比喩として読まれるようになった。

関わる神格・伝承

シャハル、アタルと主題を共有する。サタンと同一視される。

文化的足跡

「ルシファー」の名は、今日も反逆と傲慢の象徴として文学・音楽に用いられる。

なおユダヤ教・キリスト教・イスラームは今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその伝承と観念の歴史に関する学術的な整理である。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q185498 — 骨格データの出典