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シャハルとシャリム
PLATE — 𐎌𐎈𐎗 𐎌𐎍𐎎
PHOENICIAN · フェニキア・カナン神話
𐎌𐎈𐎗 𐎌𐎍𐎎

シャハルとシャリム

シャハル · シャリム · シャレム

双子を産むカナンの女神の像(イスラエル博物館蔵)/撮影: פעמי-עליון, CC BY-SA 4.0 CC BY-SA 4.0

ウガリットの神話で暁と夕暮れを表す双子の神。『恵み深き神々の誕生』は、エールが海辺の二人の女を妻として二柱をもうけたと語る。シャハルの名は『イザヤ書』の「暁の子」に残る。

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解説

概要

シャハルとシャリム(ウガリット語 šḥr w šlm)は、ウガリットの神話で暁と夕暮れを表す双子の神である。シャハルは「暁」、シャリムは「完成」「(一日の)終わり」を意味する語に由来する。W・F・オルブライトはシャハルを暁の神、シャリムを夕暮れの神とみなし、明けの明星と宵の明星、つまり金星の二つの現れとする見方も広く行われている。二柱が常に対で現れるため、本サイトは一つの記事にまとめて扱う。

神話・物語

二柱の誕生を語るのが、ウガリットの詩『恵み深き神々の誕生』(KTU 1.23)である。前半は祭儀の指示と神々への呼びかけで、後半に物語が置かれる。年老いたエールは海辺で二人の女に出会い、空の鳥を射落として火で焼き、女たちに、自分を「父よ」と呼ぶなら娘に、「夫よ」と呼ぶなら妻にすると告げる。二人は「夫よ」と呼び、エールの妻となる。生まれた子がシャハルとシャリムで、女神の乳で育ち、片方の唇を地に、もう片方を天につけるほどの口で、空の鳥と海の魚を食べ尽くしたという。詩は祭儀で唱えられた台本とみられるが、どのような祭であったかについては諸説がある。

蛇の毒を払う呪文(KTU 1.100)では、太陽の女神シャプシュが天にいるシャハルとシャリムのもとへ使いを運ぶ相手の一組として現れる。

図像と象徴

本サイトが掲げるのは、イスラエル博物館蔵のカナンの土製の女神像で、双子を産もうとする女神を、体の外側と内側の両面から表した珍しい作例である。シャハルとシャリムそのものを表した像ではなく、二柱を描いた確かな図像は知られていない。双子の誕生という主題を示す参考として掲げる。

系譜と関係

父はエール、母はエールが妻とした名の記されない二人の女である。二柱を乳で育てる「貴婦人」をアーシラトとみる解釈もある。

シャハルの名は人名にも用いられた。ウガリットの「シャハルはわが神」、フェニキアの「シャハルの僕」、ヘブライ語の「アヒシャハル(シャハルの兄弟)」などである。シャリムについては、エルサレム(アマルナ文書のウルサリム)の名を「シャリムの基」と解し、この神にちなむとする説が広く知られているが、確定してはいない。

文化的足跡

『イザヤ書』14章12節は、倒れたバビロンの王を「輝く者、暁(シャハル)の子」と呼ぶ。明けの明星が昇って消えるさまを王の驕りと転落に重ねた詩句で、ウガリットの神話の残響とみられている。ラテン語訳聖書がこの「輝く者」をルキフェル(明けの明星)と訳したことから、のちにキリスト教ではこの節が堕天使ルシファーの物語と結びつけられた。

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領分・別名

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。

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資料

Wikidata
Q1819356 — 骨格データの出典