テオニム THEONYM · 世界神話アーカイブ 神格を検索
PLATE — LÓEGAIRE BÚADACH
CELTAE · ケルト神話
LÓEGAIRE BÚADACH

ロイガレ・ブアダハ

リョーガレ・ブアダハ · ロイガレ・ベルン・ブアダハ · Loegaire Buadach

アイルランド神話のアルスターの戦士。英雄の分け前を争って敗れ、詩人を救おうとして鴨居に頭を打って死んだ。

01

解説

概要

ロイガレ・ブアダハ(Lóegaire Búadach、「勝利のロイガレ」)は、アルスター物語群に登場するアルスターの戦士である。『ブリクリウの饗宴』でクー・フーリンコナル・ケルナハとともに英雄の分け前を争った三人の一人にあたる。

三人のうち最も分が悪く、物語群ではしばしば滑稽の役を割り当てられる。ロイガレ・ベルン・ブアダハの名では、オサリゲの祖神とされ、名高い剣の持ち主として伝えられた。

神話・物語

『ブリクリウの饗宴』において、いさかい好きのブリクリウは、英雄の分け前を三人それぞれに約束して争わせた。判定はメイヴアリルに、次いでムンスターのクー・ロイに委ねられ、課されたすべての試練でクー・フーリンが勝った。それでもロイガレはコナルとともに結果を認めない。

最後に、巨大な斧を担いだ醜い大男が館に現れる。この斧で自分の首を刎ねよ、そして明日、私が戻って汝の首を刎ねるのを受けよ——三人にそう迫った。ロイガレは大男の首を刎ねたが、翌日、約束の刻限に姿を見せなかった。コナルも同じである。斧の下に首を差し出したのはクー・フーリンだけであった。

死の物語も伝わる。詩人アエズが、王コンホヴァル・マク・ネサの妃ムガンと通じた罪により、ロイガレの館の近くの湖で溺死させられることになった。怒った彼は詩人を助けようと家から飛び出す。あまりの勢いに、戸口の鴨居で自分の頭の上部を削ぎ落としてしまった。それでも彼は三十人の兵を討ち、アエズの命を救い、そして死んだ。

図像と象徴

図像は伝わらず、当サイトも主画像を掲げない。

この戦士に結びつく標識は、鴨居である。首斬りの遊戯では大男の斧を前に退き、最期には自分の家の戸口で頭を失う。斧を避けた男が鴨居に頭を削がれるという配置は、物語の側の皮肉と読めるが、同時に、彼が最後に果たしたのは詩人の救出であった。滑稽の役を負わされながら、死に方は英雄のそれである。

系譜と関係

妻はフェデルム・ノイフリデ。物語群において彼は、クー・フーリンとコナル・ケルナハに次ぐ第三の英雄という位置を一貫して与えられている。

三人が並ぶ構図は『ブリクリウの饗宴』だけのものではない。アルスターの武勇を語る場面で、この三人の名はしばしばまとめて挙げられる。三人組のうち一人が突出し、一人が次ぎ、一人が及ばないという配置は、英雄譚の常套であり、彼はその三番目を担う。

文化的足跡

オサリゲ(現在のキルケニー、ラーイシュ一帯)の系譜資料は、ロイガレ・ベルン・ブアダハを祖神に数える。物語群の登場人物が、実在の王家の始祖として系譜に組み込まれる例の一つであり、中世アイルランドにおいて物語と系譜が地続きだったことを示す。近代の再話では、首斬りの遊戯で退く三人のうちの一人として登場するにとどまることが多い。

02

領分・別名

03

資料

Wikidata
Q605694 — 骨格データの出典