饗宴の席で、その場に集まった戦士のうち最も優れた者に与えられる肉の分け前。アイルランド語でクラズミールという。誰が受けるにふさわしいかを決める手続きが、そのまま物語の骨格になる。『ブリクリウの饗宴』では、いさかい好きの饗応主が三人の英雄それぞれに分け前を約束して争わせ、いくつもの試練を経てクー・フーリンが勝つ。『マク・ダ・ホーの豚』では、ケト・マク・マーガハが名乗り出る者を一人ずつ手柄で言い負かしていく。ギリシアの著述家ポセイドニオスは、この慣習を古代ケルト人のものとして書き留めており、物語の趣向にとどまらない実際の作法であった可能性を示す。
GLOSSARIUM · CHAMPION'S PORTION