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アイタ
PLATE — AITA
ETRUSCAN · エトルリア神話
AITA

アイタ

エイタ · アイテ · aita

Robin Iversen Rönnlund CC BY-SA 3.0

エトルリアの冥界の主。ギリシアのハーデースを受け入れた名で、狼の頭巾をかぶった姿で描かれる。妃はペルシプナイ。

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解説

概要

アイタ(エトルリア語 aita、エイタとも綴られる)は、エトルリア神話で冥界を治める神である。名はギリシアのハーデース(アイデース)から入ったもので、エトルリアの神々のなかでは新しい部類に属し、図像と碑文に現れるのは前4世紀からである。妃はペルシプナイ、ギリシアのペルセポネーにあたる。

神話・物語

語られる物語はギリシアから来ている。妃を攫う場面がエトルリア美術にも現れ、オルヴィエートのゴリーニ墓とタルクィニアの「オルクスの墓」第二室の壁画では、玉座に着き、あるいは行列を率いる二柱として描かれる。

この神が遅れて現れることには理由がある。エトルリアの冥界には、それ以前から別の神格がいた。ローマ側の資料がマントゥスの名で伝える神、そして狼にまつわるカルという神である。アイタはこれらの上に、ギリシアの名と像をかぶせる形で成立した。土着の層と借用の層が重なっているために、どこまでが借り物かを切り分けにくい。

図像と象徴

描かれる例はごく少ない。墓室壁画のほか、ウルチ出土の前4世紀の彩色壺、ヴォルテッラ出土の前2世紀の雪花石膏の骨壺二点、赤絵のオイノコエ一点などが挙げられる程度である。

もっとも目を引く特徴は、狼の頭皮をかぶった姿である。これはギリシアのハーデース像にはない要素で、狼の冥界神カルから受け継いだものと考えられている。名と姿をギリシアから採りながら、頭の被り物だけが土着の神のものとして残った——借用がどのように行われたかを、一つの図像がよく示している。

系譜と関係

妃はペルシプナイ。ローマの著述家はエトルリアの冥界神をディス・パテルと呼び替え、その名をマントゥスとして伝えた。近年の研究には、アイタをエトルリアの神シュリ(ラテン名ソーラーヌス)の添え名の一つとし、マントゥス、カル、ウェーヨウィスとともに一柱の神の別名として束ねる立場がある。碑文と図像からの再構成であり、確定した説ではない。

配下には、槌を持つカルン、導き手のウァント、監視役のトゥクルカといった存在が置かれる。ギリシアの冥界に比べ、主神より従者のほうがはるかに多く描かれるのが、エトルリア美術の際立った特徴である。

文化的足跡

エトルリアの墓室に描かれた冥界の光景は、19世紀の発掘以来、死後の世界をめぐる古代地中海の観念を知る手がかりとして参照されてきた。「オルクスの墓」という名そのものが近代の誤認に由来するように、この一群の壁画はローマの冥界神の名で呼ばれ続けている。土着のアイタの名が、後から来たローマの名に覆われている格好である。

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領分・別名

INTERPRETATIO — 同一視・同源
ハーデース ギリシア神話 同一視
エトルリア語 aita はギリシア語 Aïdes(ハーデース)からの借用。図像・碑文ともに前4世紀から現れ、妃の名ペルシプナイもペルセポネーに対応する。ただし狼の頭巾など土着のカルから受け継いだ要素が残る。
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資料

Wikidata
Q410277 — 骨格データの出典
Commons
Aita — 図像カテゴリ