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GLOSSARIUM · CAULDRON

大釜

ケルト語圏の物語と考古資料の双方に現れる、大型の金属製の器。物語のなかでは三つの働きを担う。第一は尽きせぬ食物で、ダグザの釜は誰も満たされぬまま去ることがないとされ、トゥアハ・デ・ダナーンの四秘宝の一つに数えられる。第二は死者の再生で、『マビノギオン』第二枝の釜は投じられた死者を蘇らせるが、蘇った者は口をきけない。第三は知恵で、ケリドウェンの釜が煮出した滴が詩人タリエシンの詩才の由来とされる。考古資料としても、湿地や川から意図的に沈められた大釜が多数出土しており、デンマークのグンデストルップの銀の大釜がその代表である。物語の主題と奉納の習俗が同じ器をめぐって重なる、稀な例にあたる。

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