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ブランウェン
PLATE — BRANWEN FERCH LLŶR
CELTAE · ケルト神話
BRANWEN FERCH LLŶR

ブランウェン

ブラーンウェン · スィールの娘ブランウェン · Brânwen

クリストファー・ウィリアムズ(1915年)/グリン・ヴィヴィアン美術館、スウォンジー PUBLIC DOMAIN

中世ウェールズ『マビノギ四枝』第二枝の女性。アイルランド王に嫁いで虐げられ、ムクドリに文を託して兄を呼び、二つの島の滅びを見て死んだ。

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解説

概要

ブランウェン(Branwen ferch Llŷr、「スィールの娘ブランウェン」)は、中世ウェールズのマビノギオン所収『マビノギ四枝』第二枝の中心人物である。この枝は彼女の名で呼ばれる。

スィールとペナルズンの娘で、ブリテンの王ベンディゲイドヴランマナウィダンの妹にあたる。アイルランド王マソルーフに嫁ぐが、その婚姻は平和をもたらさず、二つの島の壊滅で終わる。

神話・物語

ハーレフの浜に十三隻の船が着き、アイルランド王マソルーフがブランウェンとの婚姻を申し入れた。両島の同盟を意味するこの申し出をベンディゲイドヴランは受け、アベルフラウの海辺に天幕を張って婚礼が催される。王の巨体を容れる家がなかったためである。

宴の最中、異父弟エヴニシエンが厩の馬を見咎めた。妹が自分の許しを得ずに嫁がされたと知って激怒し、アイルランドの馬の唇を歯茎まで、耳を頭蓋まで、瞼を眼球まで、尾を尻まで切り落とした。ベンディゲイドヴランは新しい馬と宝、そして死者を蘇らせる大釜を贈って償い、マソルーフはブランウェンとともに帰国する。

はじめアイルランドの人々は新しい王妃を慕った。やがて息子グウェルンが生まれる。しかし三年のうちに、家臣たちは受けた侮辱を蒸し返し、王に妻への報復を促した。ブランウェンは厨房へ追われ、肉切り人に打たれ、毎日耳を殴られる。彼女はムクドリを手なずけ、その羽根に文を結んでアイリッシュ海を渡らせた。文は兄の手に届く。

兄は全軍を率いて海を渡った。和平の申し出、百の袋に隠された兵、エヴニシエンによる皆殺し、宴の席でのグウェルンの焼殺、そして大釜をめぐる戦——第二枝の惨劇はここに集中する。生き残ったのはウェールズ側の七人と、ブランウェン、そしてアイルランドに残された五人の妊婦だけであった。

首だけとなった兄を伴って故郷へ戻り、アングルシー島のアベル・アラウに上陸したとき、彼女は左右の島を見渡してこう言ったと伝えられる。ああ神の子よ、生まれてこなければよかった。二つの美しい島が、私のために荒らされてしまった——そして心臓が破れて死んだ。アラウ川のほとりに葬られたという。

図像と象徴

中世の図像はない。主画像は、ウェールズの画家クリストファー・ウィリアムズが1915年に描いた油彩で、岩場に坐して海の彼方を仰ぐ姿を捉えている。スウォンジーのグリン・ヴィヴィアン美術館所蔵。同じ画家はブロダイウェズをはじめマビノギ主題の絵を三点残しており、ケルト復興期のウェールズが自国の物語をどう視覚化したかを示す作例にあたる。

物語が与える標識はムクドリである。言葉を封じられた者が、鳥に言葉を託して海を越えさせる。第二枝で唯一、彼女が能動的に事を動かす場面がこれであり、しかもその一手が二つの島の滅びを招く。もう一つの標識は、アングルシー島ススァンドゥイサントの川辺にあるベズ・ブランウェン(ブランウェンの墓)と呼ばれる石塚である。1800年と1960年代に発掘され、人骨の灰を納めた甕がいくつか見つかった。青銅器時代の墳墓であり、物語より遥かに古い。名が先か塚が先かは分からない。

系譜と関係

父はスィール、母はペナルズン。同母の兄はベンディゲイドヴランとマナウィダン、異父の兄弟はニシエンとエヴニシエン。夫はアイルランド王マソルーフ、子はグウェルン。

ブリテンの三題詩は彼女を「ブリテン島の三人の偉大な祖の女」の一人に数える。近代には女神説も唱えられたが、第二枝に神としての記述はなく、彼女は終始、政略で嫁がされ、義理の兄弟の激情の巻き添えで打たれ、最後に自らを責めて死ぬ一人の女として描かれる。同じ四枝のリアンノンが言葉と策で局面を動かすのに対し、ブランウェンに与えられた手段は鳥一羽だけであった。

文化的足跡

第二枝は四枝のなかで最もよく読まれ、最も繰り返し語り直されてきた一篇である。ウェールズ語の詩と音楽では彼女の名がしばしば喪失の象徴として用いられ、1994年には同名の映画も作られた。ベズ・ブランウェンは今もアングルシー島の観光の道筋に組み込まれている。二つの島の戦争を招いた責を自らに帰して死ぬという結末は、ウェールズとアイルランドの長い関係史のなかで、その都度別の意味を読み取られてきた。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q123175112 — 骨格データの出典