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ルドラ
PLATE — रुद्र
BHARATA · ヒンドゥー神話
रुद्र

ルドラ

シャルヴァ · ヴァイディヤナータ · ダンヴィン

eGway Travel Guide / グディマッラム、パラシュラーメーシュヴァラ寺院 CC BY-SA 3.0

『リグ・ヴェーダ』の暴風と狩猟の神。恐るべき射手であると同時に、千の薬をもつ最良の医者でもある。その婉曲的な形容「シヴァ」が、のちの大神の名となった。

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解説

概要

ルドラ(Rudra / रुद्र)は『リグ・ヴェーダ』に歌われる神で、暴風・狩猟・医薬を司る。名は「吼える者」と解されるのが通例だが、語源は確定していない。恐れられる荒ぶる射手であると同時に、病を癒す最良の医者でもあるという二面性が、この神の中核をなす。後代のシヴァはルドラを直接の前身とし、両者の名は同義に用いられるようになった。

神話・物語

『リグ・ヴェーダ』は三篇の独立讃歌(1.114、2.33、7.46)をルドラに捧げ、さらに二篇をソーマと共同で捧げる。全体では約七十五の言及がある。そこでの呼びかけは、恐怖と懇願が入り混じっている。ゴーラ(きわめて恐ろしい者)と呼ばれ、「猛獣のごとく荒々しい」(2.33.11)と歌われる一方、1.114は結い髪の神への赦しを乞う祈りである。R・G・バンダルカルが引くように、7.46は弓と速く飛ぶ矢を持つ姿を描き、「天と地を駆ける輝く矢」(7.46.3)は稲妻を指すとも解される。

同時に、病を癒す働きが繰り返し語られる。子らを病で苦しめないよう(7.46.2)、村から病を遠ざけるよう(1.114.1)と請われ、癒しの薬を持つ者(1.43.4)、医者のなかの最良の医者(2.33.4)、千の薬を持つ者(7.46.3)と呼ばれる。ヴァイディヤナータ(薬の主)という別名はここに由来する。

主権的な呼称も少なくない。2.33.9は彼を「この世界の主」と呼ぶ。『ヤジュル・ヴェーダ』16.18は「世界の主に礼拝」と唱え、16.46は「神々の心にある者に礼拝」として、神々の内なる自己に位置づける。『タイッティリーヤ・アーラニヤカ』10.24.1に至ると、この一切がルドラであると説き、彼をヴェーダのプルシャと同一視する。ヴェーダの一神格が普遍的存在へと読み替えられていく過程が、ここに見て取れる。

図像と象徴

ルドラ固有の像容というものはほとんど残っていない。ヴェーダ文献が挙げるのは、弓と矢、結い髪、そして乗り物としての馬(2.33.1)であり、牡牛ナンディンを乗騎とするのは『マハーバーラタ』以降のシヴァと共通する後代の要素である。弓に関わるシャルヴァ(射手)、ダンヴィン(弓を持つ者)、バーナハスタ(矢を手にする者)といった別名が、この神の性格を端的に示す。

図像より重要なのは、詠唱によって形をとる姿である。『ヤジュル・ヴェーダ』の諸伝本に収められる連禱シャタルドリーヤ(ルドラム、ナマカム)は、火壇を積むアグニチャヤナの祭で唱えられ、のちにルドラ祭祀の定型となった。この讃歌は、庭でもあり墓地でもあり、殺す者でありもっとも慈悲深い者でもあるという形で、両極を並べたまま神を描く。『アタルヴァ・ヴェーダ』パイッパラーダ本に由来するニーラルドラでは、稲妻がルドラの矢であると同時にルドラ自身でもあると歌われ、青い首をした赤い神が天から地へ降り立つさまが描かれる。

なお、南インドのグディマッラムに残る石造リンガ(前2〜前1世紀頃)は、斧と羊を執り小人の上に立つ人物を柱身に刻んだもので、ルドラ=シヴァの現存最古級の人体表現とされる。ヴェーダの神が造形をもちはじめる時点を示す資料である。

系譜と関係

『リグ・ヴェーダ』2.33.1はルドラをマルト神群の父と呼ぶ。マルト(暴風の神々)はルドラ群(ルドリヤ)とも呼ばれ、ルドラという語自体が神群の名として複数形で用いられることもある。数は二から六十まで揺れ、十一、三十三、百八十とする箇所もある。

シヴァとの関係は、この神を理解する要である。『リグ・ヴェーダ』10.92.9は、彼が荒々しい相(ルドラ)と穏やかな相(シヴァ)の二面をもつと述べる。ここでのシヴァは「吉祥な」を意味する形容語であり、恐ろしい神を直接その名で呼ぶことを避けるための婉曲表現であった。アゴーラ(恐ろしくない者)、アバヤンカラ(安全を与える者)も同じ発想の呼びかけである。この形容語がやがて固有名として定着し、マヘーシュヴァラ、マハーデーヴァとともに主要な名となった。パーシュパタ派のような苦行者の伝統では、その後もルドラの名が本来の呼称として保たれている。他方『ヴィシュヌ・サハスラナーマ』はルドラをヴィシュヌの名の一つに数え、シャンカラはこれを「の末に一切の存在を泣かせる者」と註した。同じ名が宗派ごとに引き受けられている点にも注意がいる。

文化的足跡

シャタルドリーヤは今日もインド各地のシヴァ寺院で日々唱えられている。ルドラークシャ(ルドラの目、あるいは涙)と呼ばれる木の実は数珠に用いられ、シヴァ派の行者の標識となった。チベット仏教の『パドマ・タンイク』はルドラをまったく別の相で描き、教えを取り違えて悪業を重ねた僧が三面の魔として生まれ変わり、金剛薩埵の化身に調伏されて正法に帰す物語として語る。ヴェーダの神格がチベットで敵役として再構成された例であり、名の共有と内容の断絶を同時に示している。

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領分・別名

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資料

Wikidata
Q855310 — 骨格データの出典
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