ヴェーダ祭式で用いられた神々の飲料。ある植物の搾り汁とされるが、原植物が何であったかは今日まで同定されていない。飲む者に活力と霊感をもたらす不死の霊薬とされ、『リグ・ヴェーダ』第9巻は全巻がソーマ讃歌にあてられている。ゾロアスター教の神酒ハオマと同源で、インド・イラン共通期に遡る古い祭式の要素である。後代のヒンドゥー教では、月が神々の酒盃と観念されたことからソーマは月と結びつき、月神チャンドラの別名となった。ヴェーダ期のソーマ神と月神とを直結させてよいかは、なお議論のある問題である。
GLOSSARIUM · SOMA