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マルドゥク
PLATE — 𒀭𒀫𒌓
SVMER · メソポタミア神話
𒀭𒀫𒌓

マルドゥク

マルドゥーク · メロダク

Osama Shukir Muhammed Amin CC BY-SA 4.0

古代バビロンの主神で、バビロニアの神々の王。創造叙事詩『エヌマ・エリシュ』で原初の海ティアマトを倒し、混沌から世界の秩序を築いた。聖竜ムシュフシュを象徴とする。

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解説

概要

マルドゥク(𒀭𒀫𒌓 / Marduk)は、古代バビロンの都市神にして、バビロニアの神々の王に立った主神である。創造叙事詩『エヌマ・エリシュ』において、原初の海の女神ティアマトを打ち倒し、混沌から秩序ある世界を築いた英雄として語られる。知恵の神エア(エンキ)の子とされ、聖なる竜ムシュフシュと鋤の印をその象徴とする。

神話・物語

もとは一地方の神にすぎなかったマルドゥクは、バビロンが覇権を握るとともに神々の頂点へと昇っていった。その隆盛を神話として語るのが『エヌマ・エリシュ』である。若い神々の騒がしさに怒った原初の海ティアマトが、怪物の軍勢を率いて神々を脅かしたとき、神々は若きマルドゥクを王位と引き換えに戦いの旗頭に選んだ。

マルドゥクは、風と網、弓と雷を携えてティアマトに立ち向かい、これを討ち果たす。そしてその亡骸を二つに裂いて天と地を造り、星々をめぐらせて暦を定めた。さらに、反逆の神キングの血から人間を造り、神々に奉仕させたという。彼はバビロンとその聖所エサギラを築き、五十の名を捧げられて神々の王と讃えられた。

図像と象徴

マルドゥク自身の姿が直接描かれることは少なく、その存在はむしろ象徴によって示された。三角の刃をもつ鋤(マル)と、なかでも聖なる竜ムシュフシュが、この神のしるしである。新バビロニアのイシュタル門を飾る、彩釉煉瓦のムシュフシュの浮彫——本図もそのひとつ——は、マルドゥクの神獣を今に伝える名高い作例である。天に聳えた聖塔エテメンアンキも、この神の都の象徴であった。

系譜と関係

父は知恵と水の神エア(エンキ)、伴侶はザルパニトゥ、子には書記の神ナブーがある。敵対するのは混沌の海ティアマト。「主」を意味する称号ベルでも呼ばれた。ヘレニズム期には、このベル・マルドゥクがギリシアのゼウスと部分的に同一視された(ゼウス・ベロス)。多くの古い神々の働きを一身に吸収した点も、この神の特徴である。

文化的足跡

マルドゥクの興隆は、そのままバビロンの興隆を映している。『エヌマ・エリシュ』が語る、混沌を秩序へと変える創造の主題は、のちの西アジア世界の伝承にも影を落とした。旧約聖書には「メロダク」の名でも現れる。イシュタル門とムシュフシュは、今日メソポタミア美術を代表する意匠として知られ、現代の創作にもたびたび登場する。

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領分・別名

INTERPRETATIO — 同一視・同源
ゼウス ギリシア神話 同一視
部分的・後代の同一視。ヘレニズム期にバビロンの主神ベル・マルドゥクがギリシアのゼウスと同定された(ゼウス・ベロス)。全面的な等置ではない。

親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承点線=異伝・別系統

エア
ダムガルヌンナ
𒀭𒊩𒌆𒅁
ニヌルタ
兄弟姉妹
𒀭𒀫𒌓
マルドゥク
メソポタミア神話
ザルバニトゥ
配偶者
𒀭𒀝
ナブー
エア
ダムガルヌンナ
𒀭𒀫𒌓
マルドゥク
メソポタミア神話
ザルバニトゥ
配偶者
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資料

Wikidata
Q190123 — 骨格データの出典
Commons
Marduk — 図像カテゴリ