マク・グレーネ
マク・グレイネ · ケートゥル · Mac Gréine
ダグザの孫でトゥアハ・デ・ダナーン最後の三王の一人。名は「太陽の子」を意味する。妻はアイルランドの名祖となったエリウ。ミレー族の詩人アメルギンに討たれた。
解説
概要
マク・グレーネ(Mac Gréine、「太陽の子」)は、アイルランド神話のトゥアハ・デ・ダナーンの一人である。ダグザの子ケルマイトの子にあたる。
本来の名はケートゥル。妻はエリウ——アイルランドの名祖である三姉妹女神のうち、最終的にその名を国に与えた者——である。
神話・物語
兄弟マク・クル、マク・ケーフトとともに、父の仇としてルーを殺した。三兄弟はアイルランドの共同の上王となり、一年ごとに交替で王権を担った。ミレー族の到来以前の、トゥアハ・デ・ダナーンの最後の王たちである。
三兄弟はイースを謀殺し、これが甥ミール・エスパーニェとその子らの侵攻を招いた。ミレー族との戦いにおいて、マク・グレーネは詩人アメルギン・グルンゲルに討たれた。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
名が太陽に由来することが、この王の性格を示している。アイルランド語のグリアン(太陽)は女性名詞であり、その属格グレーネが名に用いられている。ケルトの伝承において太陽は女性的な神格と結びつくことが多く、「太陽の子」という名もその一端である。
討ち手が詩人であるという点も見逃せない。マク・グレーネを殺したアメルギンは、ミレー族の詩人にして裁定者であり、三女神に国の名を約束した者でもある。太陽の子が言葉の力を持つ者に討たれる。
系譜と関係
父はケルマイト、祖父はダグザ。兄弟はマク・クルとマク・ケーフト。妻はエリウ。討ち手はアメルギン。
エリウが国の名祖となったことで、その夫であるマク・グレーネは、三王のうち最も記憶される位置を得た。
文化的足跡
日本語圏では、三王の一人として言及される程度である。しかしエリウ——アイルランド(Ériu → Éire)——の夫として、三人のなかで最も系譜上の意味が大きい。