キヤーティ
キヤーティ · Khyati
ダクシャとプラスーティの娘で、名は「名声」を意味する。聖仙ブリグに嫁ぎ、二人の息子と娘バールガヴィーを産んだ。バールガヴィーはラクシュミーとされることがあり、乳海攪拌から生まれたとする伝承と併存する。ブリグの家系からは神々の女神と阿修羅の師の双方が出る。
解説
概要
キヤーティ(「名声」)は、ヒンドゥー教の伝承で、聖仙ブリグの妻となった女性である。一般には創造の祖の一人ダクシャと妻プラスーティの娘とされるが、聖仙カルダマの娘とする伝承もある。ブリグとのあいだに生まれた娘バールガヴィーは、一部の伝承で幸運の女神ラクシュミーとされる。
神話・物語
『ヴィシュヌ・プラーナ』は、ダクシャとプラスーティの二十四人の娘のうち、信や堅固など徳の名をもつ十三人がダルマに嫁ぎ、キヤーティは聖仙ブリグに嫁いだとする。キヤーティの父については、伝承が分かれている。一般にはダクシャとプラスーティの娘とされるが、『バーガヴァタ・プラーナ』は、聖仙カルダマと妻デーヴァフーティのあいだに生まれた九人の娘の一人とする。
キヤーティとブリグのあいだには、二人の息子ダーターとヴィダーター、そして娘バールガヴィー(「ブリグの娘」)が生まれた。一部の伝承では、このバールガヴィーがラクシュミーであるとされる。ラクシュミーには、神々と阿修羅が乳の海をかき回したときに現れたという誕生の物語もあり、同じ女神に二つの異なる誕生の物語があることになる。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
系譜と関係
ブリグは、七聖仙の一人に数えられる聖仙である。ブリグには、カーヴィヤマーターというもう一人の妻がいて、その子が阿修羅の師シュクラである。ブリグの家系からは、神々の側の女神ラクシュミーと、阿修羅の側の師シュクラの両方が生まれたのである。
なおヒンドゥー教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。