プラスーティ
プラスーティ · アシクニー · Prasuti
ダクシャの妻で、スヴァーヤンブヴァ・マヌの娘。『ヴィシュヌ・プラーナ』では24人の娘の母で、信・堅固・満足など徳の名をもつ13人が法(ダルマ)に嫁ぎ、サティーはシヴァに嫁いだ。別伝ではダクシャの妻はアシクニーとされる。
解説
概要
プラスーティ(Prasūti)は、ヒンドゥー神話で創造の祖の一人ダクシャの妻であり、シヴァの妻サティーをはじめとする多くの娘たちの母である。最初のマヌであるスヴァーヤンブヴァ・マヌと妻シャタルーパーの娘で、プリヤヴラタとウッターナパーダの二王子、アークーティ、デーヴァフーティの姉妹にあたる。
神話・物語
『ヴィシュヌ・プラーナ』第1巻は、ダクシャとプラスーティのあいだに24人の娘が生まれたとし、その嫁ぎ先を挙げる。13人はダルマ(法)に嫁いだ。シュラッダー(信)、ラクシュミー(繁栄)、ドリティ(堅固)、トゥシュティ(満足)、プシュティ(滋養)、メーダー(知性)、クリヤー(行為)、ブッディ(理解)、ラッジャー(恥じらい)、ヴァプ(身体)、シャーンティ(平安)、シッディ(成就)、キールティ(名声)である。残る11人のうち、キヤーティは聖仙ブリグに、サティーはシヴァに、アナスーヤーはアトリに嫁ぎ、スヴァーハーは火神アグニの、スヴァダーは祖霊たちの妻となった。徳や観念の名をもつ娘たちが法と結ばれ、儀礼の唱え言葉が火と祖霊に配されることで、宇宙の秩序が婚姻の系譜として語られている。『バーガヴァタ・プラーナ』は娘の数を16人とする。
娘のなかで最もよく知られるサティーは、父ダクシャが祭祀に夫シヴァを招かず辱めたため、祭火に身を投じた。
図像と象徴
プラスーティ固有の図像はまれである。主画像は、カルナータカ州ベッラーリ県アングルに伝わる、ダクシャとその妻を刻んだ石像である。
系譜と関係
父はスヴァーヤンブヴァ・マヌ、母はシャタルーパー。夫はダクシャ。娘にサティー、キヤーティ、スヴァーハーらがいる。別の伝承では、ダクシャの妻はアシクニー(ヴィーリニーとも)で、その60人の娘の多くは聖仙カシュヤパや月神ソーマに嫁ぎ、神々やアスラ、蛇、鳥の母となった。プラスーティとアシクニーの伝承は、ダクシャの系譜の二つの版をなしている。
なおヒンドゥー教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。
領分・別名
親・配偶者・子までを表示(全体はフル系図ページへ)。実線=主要伝承/点線=異伝・別系統。