カーヴィヤマーター
カーヴィヤマーター · Kavyamata
聖仙ブリグの妻で、阿修羅の師シュクラの母。神々に敗れた阿修羅たちをかくまって神々を動けなくしたため、ヴィシュヌに円盤で首を刎ねられた。妻を殺されたブリグの呪いのため、ヴィシュヌは何度も地上に生まれることになったとされる。
解説
概要
カーヴィヤマーターは、ヒンドゥー教の伝承で、聖仙ブリグの妻であり、金星の神で阿修羅の師であるシュクラの母である。神々に敗れた阿修羅たちをかくまったため、ヴィシュヌに首を刎ねられた。妻を殺されたブリグはヴィシュヌを呪い、ヴィシュヌが何度も地上に生まれるのはこの呪いのためだとされる。『マツヤ・プラーナ』や『デーヴィー・バーガヴァタ・プラーナ』が伝える物語である。
神話・物語
『デーヴィー・バーガヴァタ・プラーナ』によれば、神々に敗れた阿修羅たちは、聖仙ブリグの庵に逃げ込んだ。息子のシュクラは、決して負けない真言を得るため、シヴァのもとで苦行を続けていて留守であった。母のカーヴィヤマーターは阿修羅たちをかくまい、その力でインドラをはじめとする神々を動けなくしてしまった。そこへヴィシュヌが現れ、円盤スダルシャナで、カーヴィヤマーターの首を刎ねた。
妻を殺されたブリグは、ヴィシュヌを呪った。「女を殺した罪によって、おまえは何度も地上に生まれ、人の苦しみを味わえ」というのである。ヴィシュヌが化身(アヴァターラ)となって何度も地上に生まれるのは、この呪いのためだとされる。ブリグは、水を振りかけて妻を蘇らせたとされる。
図像と象徴
固有の図像は伝わらず、本サイトも主画像を掲げない。
系譜と関係
名は、息子シュクラの別名「カーヴィヤ」(詩人)にちなみ、「カーヴィヤの母」を意味する。ブリグの妻でシュクラの母であり、ヴィシュヌに殺された。ブリグのもう一人の妻としてキヤーティがいる。
なおヒンドゥー教は今日も信仰されている生きた宗教であり、本項の記述はその神格の伝承と図像に関する学術的な整理である。